1型糖尿および膵炎を対象とした解析結果は、SAFVの膵臓に対する病原性を強く示唆するものであるが、研究期間内に十分な症例数に拡大することができず因果関係を証明するには至らなかった。SAFV感染受容体の同定についても継続中である。一方、本研究において想定していなかった新たな知見が得られた。SAFV VP1の不安定性に関わる責任領域はPEST配列であることが明らかとなった。さらに、他の構造蛋白の共存によりVP1の安定性は向上し、カプシド形成に伴いPEST領域がマスクされVP1の分解が抑制されることが示唆された。加えて、IRES依存的な発現において、未知のウイルス蛋白が産生されることが見出された。
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