多くのエンベロープウイルスはエンドサイト―シス経由で細胞侵入する。ヒトコロナウイルス(HCoV)229EもエンドゾームのカテプシンLを利用すると考えられてきた。本研究では、我々はHCoV229Eの臨床分離株はATCC株のような細胞順化株とは異なり、エンドゾームのカテプシンLよりも細胞表面のTMPRSS2の利用を好む事を発見した。エンドゾームはTLR認識など、自然免疫応答の主要な場所であり、本来のHCoV229Eはおそらく細胞表面からの細胞侵入によってエンドソームを飛び越えるように進化したと考えられる。ATCC株におけるこれらの性質は、長い間の細胞継代によって失われたと考えられる。
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