研究課題
B型肝炎ウイルス(HBV)複製培養系において、細胞骨格のうち微小管がHBV coreタンパク質と相互作用し、HBV coreタンパク質の多量体化によるキャプシド形成に関わっていることが示された。この制御機構は、微小管形成阻害剤であるノコダゾールやビンブラスチン、コルヒチンを処理することにより阻害され、結果的に細胞内のHBVキャプシド形成量が低下し、ウイルス複製活性が減少することが認められた。この結果は細胞をコンフルエントの状態で得られたものであり、細胞毒性も認められなかったことから、微小管への効果に依存すると考えられた。これまで我々はテトラサイクリンによりHBV複製をon/off可能なHepAD38細胞を親株として、シングルセルクローニング法によってHBV複製活性の高い細胞クローン(Hep38.7-Tet細胞)と低い細胞クローン(Hep38.3-Tet細胞)を得ていたが、後者に比較して前者では微小管タンパク質チューブリンとHBV coreタンパク質の相互作用が強く、またキャプシド形成活性が高いことが明らかとなった。このことより、今回明らかにした機構は実際のHBV複製活性制御に重要であることが示唆された。これは査読付き国際誌に論文として発表した。また一方で、チューブリンの翻訳後修飾がHBV複製活性を制御していることを示唆するデータが得られた。このことから、キナーゼなどを含めた因子と微小管の関連を解析することにより、今後新たなHBV複製機構、また創薬標的が明らかになると期待される。
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