研究課題
平成26年度は3年間の研究期間の初年度に相当する。本年度は、申請者らが明らかにしてきたimportin9 (IPO9)による、恒常的なinterferon-ε(IFN-ε)の発現調節について、その分子メカニズムの解明を目指し、特に転写後調節機構に焦点を当てた研究を行った。先行研究から、IPO9はIFN-εmRNA上の5'非翻訳領域(UTR)のループ構造に作用することが明らかになっている。非翻訳領域を介した転写後調節機構として最もよく知られた機序は、mRNAの安定化である。そこで、IPO9が5'UTRのループ構造を介したmRNAの安定化に関与する可能性について検討するために、mRNAの半減期解析を行った。その結果、IPO9の発現抑制や、IPO9の過剰発現は内因性IFN-εmRNAやIFN-ε5'UTR-lufciferase融合mRNAの半減期を変えないことが明らかになった。これらの結果から、IPO9はIFN-εのmRNAの安定化には関与しないことが示唆された。次に、1.IPO9がIFN-εのタンパク質の翻訳に与える影響を観察すること、また、2.IPO9のドメイン解析を行うことを目的に、IPO9の翻訳領域全長の遺伝子クローニングおよび、各種IPO9変異体発現ベクターを作製し、ベクターの細胞内への遺伝子導入によって産生される変異IPO9タンパク質をウエスタンブロッティング法で確認した。
2: おおむね順調に進展している
申請書に記載した研究目的・研究計画と現在までの研究成果を照らし合わせると、26年度における研究計画は順調に遂行されていることから、本課題の進捗状況はおおむね順調に進展しているといえる。
本課題はおおむね研究計画に記載の通りに研究が推進されていることから、今後も研究計画に沿った研究を行う予定である。
必要な支出を行ったところ経費削減を行うことができ、1000円未満の残金が生じた。
次年度に必要な物品を購入する予定である。
すべて 2015 2014
すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (1件)
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