研究課題
平成28年度は、前年度に質量分析法で同定したimportin 9 (IPO9)との相互作用が考えられた分子との結合能の検証実験を行った。はじめに質量分析法で同定されたタンパク質群の遺伝子の発現をPCR法で確認した。これまでの実験はHeLa細胞で行ってきたので、遺伝子発現の検討もHeLa細胞でおこなった。その結果、いくつかの遺伝子の発現が確認できなかった。我々の検討したHela細胞で遺伝子発現が確認されなかった遺伝子について、遺伝子発現が認められるとされる細胞では遺伝子の増幅が認められたことから、PCRの実験自体に問題はなく、質量分析法の結果が擬陽性であった可能性や、遺伝子のスプライシングによる、等の原因が考えられた。HeLa細胞で遺伝子発現が確認された分子について、タンパク質をコードする領域全長をPCR法でクローニングし、哺乳細胞発現ベクターに挿入した。次に、タンパク質の発現をウェスタンブロット法で確認した。一部のタンパク質は商品化された抗体の発売がなかったので、タグ付きタンパク質が翻訳される様に挿入遺伝子の末端を設計し直した。これらの遺伝子を挿入した発現ベクターとIPO9発現ベクターをHeLa細胞に同時に導入し、免疫沈降法により、タンパク質相互作用を検討した。その結果、一部の分子は質量分析の結果と同様に共沈が確認され、タンパク質間の相互作用が実験的に検証された。当該研究で解明された相互作用について、引き続き研究を行う。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 2件)
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