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2015 年度 実施状況報告書

γδT細胞の末梢でのホメオスタシスにおけるTCRシグナル要求性

研究課題

研究課題/領域番号 26460572
研究機関京都大学

研究代表者

谷一 靖江  京都大学, ウイルス研究所, 助教 (50432331)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワードガンマデルタT細胞
研究実績の概要

この1年の間に海外のグループから、ガンマデルタT細胞を、エフェクター機能やホメオスタシスに要求するサイトカインの違いにより分類することができる新たなマーカーが複数報告された(doi:10.4049/jimmunol.1500375, doi:10.4049/jimmunol.1502082)。そこで、TCRg遺伝子のエンハンサーEgの欠損(EgKO)マウスで、これらのマーカーの発現がどのように変化しているか調べた。EgKOマウスではCD27陽性のガンマデルタT細胞が減少していることが前年度までに分かっていたが、CD27陽性サブセットをさらに詳細に解析したところ、CD27+/CD45RBhigh/Ly6C+の集団が著しく減少していることが分かった。また、homeostatic proliferationに伴い、ガンマデルタT細胞はCD45RBlowからCD45RBhighへ変化することが報告された。そこで、野生型マウスとEgKOマウスの末梢リンパ組織からCD45RBlowのガンマデルタT細胞を単離し、Rag2欠損マウスへ移植後のガンマデルタT細胞を解析した。EgKOマウス由来ガンマデルタT細胞も野生型マウスと同様に、CD45RBlowからCD45RBhighへ変化した。この結果から、EgKOマウスのCD27+/CD45RBhigh/Ly6C+ガンマデルタT細胞の減少は、CD45RBlowからCD45RBhighへの移行が障害されているためではないことが明らかになった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

TCRgエンハンサー欠損(EgKO)マウスでは、CD27+ガンマデルタT細胞の中でも特にCD45RBhighの集団が顕著に減少していることが分かった。また、野生型マウスとEgKOマウスのCD27+CD45RBlowガンマデルタT細胞をRag2欠損マウスへ移植したところ、EgKOマウスのガンマデルタT細胞も野生型マウスと同様にCD27+CD45RBhighへ変化できることが分かり、少なくともこの実験系においては、CD45RBlowからCD45RBhighへの移行は障害されていないことが確認できた。

今後の研究の推進方策

CD27+/CD45RBhighガンマデルタT細胞をRag欠損マウスへ移植した時の生存維持に、野生型とEgKOマウスで差があるかどうかについて、さらに複数回の追加実験を行う。また、ガンマデルタT細胞の生存維持のみならず、サイトカイン産生能への影響も調べる。

次年度使用額が生じた理由

抗体や磁気ビーズが、同じ製品を使う他の実験ですでに購入してあったため、今年度に限っては予定していた量より実際の購入量が少なかった。

次年度使用額の使用計画

再現性の確認のために、さらに複数回実験を繰り返すためには、追加での磁気ビーズと抗体の購入が必要である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2015

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件)

  • [雑誌論文] STAT5 Orchestrates Local Epigenetic Changes for Chromatin Accessibility and Rearrangements by Direct Binding to the TCRγ Locus.2015

    • 著者名/発表者名
      Wagatsuma K, Tani-ichi S, Liang B, Shitara S, Ishihara K, Abe M, Miyachi H, Kitano S, Hara T, Nanno M, Ishikawa H, Sakimura K, Nakao M, Kimura H, Ikuta K.
    • 雑誌名

      The Journal of Immunology

      巻: 195 ページ: 1804-1814

    • DOI

      doi: 10.4049/jimmunol.1302456.

    • 査読あり / 謝辞記載あり

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公開日: 2017-01-06  

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