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2016 年度 実績報告書

B細胞の活性化、細胞死抑制における直鎖状ポリユビキチン鎖の機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 26460573
研究機関京都大学

研究代表者

佐々木 義輝  京都大学, 医学研究科, 准教授 (80323004)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード免疫シグナル伝達 / ユビキチン / 細胞死 / Caspase
研究実績の概要

直鎖状ポリユビキチン鎖は新規ユビキチン修飾であり、ユビキチンリガーゼ複合体LUBACによって選択的に生成され、古典的NF-κB経路の活性化に関与することが知られている。研究代表者は、LUBACが古典的NF-κB以外にもCD40、TLR刺激によるERKの活性化に関与することを報告してきた。さらに、LUBACがTLR4依存的な細胞死を抑制していることを発見したことから、本研究課題では、LUBACによるERK活性化の機構及びTLR4下流のおける細胞死の制御機構について解明した。これまでに、LUBAC欠損B細胞のLPS刺激による細胞死が、TLR4のMyD88、TRIFという二つのシグナル伝達分子のうちTRIFを欠損させる事で抑制出来る事からTRIFを介して生じていることを明らかにしている。加えて、LUBAC欠損B細胞においてさらにネクロプトーシスに必須の分子RIP3を欠損させてもLPS刺激による細胞死はほとんど抑制されないが、そこにCaspaseの阻害剤を加える事によってLPS刺激による細胞死は強く抑制出来る事から、LUBACを欠損したB細胞の細胞死はCaspaseを介したアポトーシスが主な細胞死の形態であるという事も証明している。平成28年度に於いては、直鎖状ポリユビキチン鎖がどのようにしてアポトーシスを抑制しているのか解析を行った。直鎖状ポリユビキチン鎖結合活性を持つ分子ABIN1に着目し、ABIN1を欠損させた細胞を樹立しLPS刺激を行ったところ、ABIN1欠損細胞ではLPS刺激によってCaspaseの活性化と細胞死が認められた。LPS刺激によるCaspaseの活性化は野生型ABIN1の発現によっては抑制されたが、ユビキチン結合能を欠失させた変異体では抑制されなかった。以上の結果から、直鎖状ポリユビキチン鎖による細胞死抑制にはABIN1が関与している事を明らかにした。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2016

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Survival of mature T cells depends on signaling through HOIP.2016

    • 著者名/発表者名
      Okamura, K., Kitamura, A., Sasaki, Y., Chung, DH., Kagami, S., Iwai, K., Yasutomo, K.
    • 雑誌名

      Scientific Reports

      巻: 6 ページ: 36135

    • DOI

      10.1038/srep36135.

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Differential involvement of the NZF domains of SHARPIN and HOIL-1L in LUBAC-mediated cell death protection.2016

    • 著者名/発表者名
      Shimizu, S., Fujita, H., Sasaki, Y., Tsuruyama, T., Fukuda, K. and Iwai, K.
    • 雑誌名

      Mol. Cell. Biol.

      巻: 36 ページ: 1569-1583

    • DOI

      10.1128/MCB.01049-15.

    • 査読あり
  • [学会発表] Linear polyubiquitination chains controls TRIF-dependent cell death in B cells induced by TLR4 stimulation.2016

    • 著者名/発表者名
      佐々木義輝、岩井一宏
    • 学会等名
      第89回日本生化学会大会
    • 発表場所
      仙台国際センター
    • 年月日
      2016-09-25 – 2016-09-27

URL: 

公開日: 2018-01-16  

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