平成26年度の研究実績 1.特別講義「患者さんの声を聞く」の実施・・・4月9日に臨床実習開始を目前とする群馬大学医学部医学科5年生105名を対象に特別授業「患者さんの声を聞く」を実施した。午前の2時間で、学生は患者講師4名の闘病体験(中枢性尿崩症、生体肝移植、クモ膜下出血、子宮平滑筋肉腫)を次々に聴講した。午後の初めの2時間で、学生は12のグループに分かれ、患者講師も参加してグループ討論をおこなった。次の1時間で、グループ代表はスライドを投影しながら討論内容を発表し、当日の学習成果を学生全員で共有した。翌日には学生全員がレポートを提出した。後日のレポート分析では、例年以上に多くの学生が、尿崩症患者の口渇の激しさ、水制限試験の苦しさ、点鼻薬の使いにくさなどを記述していた。 2.第46回日本医学教育学会大会への参加・・・7月18日~19日に和歌山県立医科大学で開催された日本医学教育学会に参加し、医学教育の最新の動向を調査した。医学教育の国際認証に関する教育講演や発表が多かった。なお、特別授業「患者さんの声を聞く」の実施経験については第45回日本医学教育学会大会(千葉)で発表している。 3.尿崩症の診断や水制限試験に伴う患者の苦痛に対する研修医および医学生の認識調査・・・研修医の認識調査は4月に、医学生の認識調査は1月に、それぞれ実施予定であった。質問項目は、尿崩症の診断で第一選択の検査はどれか?、患者の苦痛が最も大きい検査はどれか?、そのことを何で知ったか?などとし、各質問項目には複数の選択肢を用意し、回答はその中から選んでもらう方法を予定していた。しかし、質問紙を作成する段階で作業が中断し、調査の実施には至らなかった。
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