研究課題/領域番号 |
26460591
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
朝比奈 真由美 千葉大学, 医学部附属病院, 講師 (00302547)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 専門職連携教育 / クリニカル・クラークシップ / 卒前教育 |
研究実績の概要 |
研究の目的:専門職連携教育(Interprofessional Education、以下IPE)は、チーム医療実践能力を修得させることを目的として、多くの医療・福祉系の学部・大学で実施されるようになってきている。しかし多くのプログラムが臨床前教育にとどまり、クリニカル・クラークシップにおいてIPEプログラムを導入している大学は少数である。本研究はクリニカル・クラークシップへ医・薬・看護学生が参加するIPEプログラムを導入し、医・薬・看護学生の専門職連携能力の向上をこれまでに研究代表者らのグループが開発した評価尺度を用いて測定し、プログラムの有用性を検証する。さらに現在継続中のIPEの卒後に及ぶ長期的教育効果の検討も継続して行う。 これまでの実績:千葉大学においては医療系3学部である医・薬・看護学部が協働して、2007年度からIPEを開始し、先駆的にIPEを開始した大学のひとつとしてIPEに取り組んできた。千葉大学のIPE(亥鼻IPE)は1年次から始まる多年次積み上げ式のIPEプログラムであり、各年次に対応する4つのステップで構成される。連携研究者らが開発した専門職連携能力尺度、Chiba Interprofessional Competency Scale(CICS-29) (Yamamoto, J Interprofessional Care 2013)、を用いた調査により、医学部学生への臨床前IPEプログラムの臨床実践での有用性が実証された。(Asahina、AMEE、2013)(「医学生における専門職連携教育の長期学習効果の評価とプログラムの有用性の検討」平成23年度基盤研究(C)課題番号23590586) 本研究の趣旨:今後さらにIPEの教育効果を向上させるためには臨床教育の現場でのIPEプログラムが不可欠である。本研究ではクリニカル・クラークシップにおいて医・薬・看護学部および実習機関が協働でIPEプログラムを開発し、プログラム実施前後の学生及び医療専門職の専門職連携能力の評価を比較検討し、プログラムの有用性、実施上の課題を検討する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究は以下のように3段階の計画で実施している。平成26年度に行った第1段階は、クリニカル・クラークシップへのIPE導入の準備段階であり、先行例を調査し、その方法や問題点を検討する。またクリニカル・クラークシップにおけるIPEの学習到達目標(卒業時IPEコンピテンシー)を設定し、関係する学部の教員・実習施設の指導者の間の調整を行う。平成27年度に行う第2段階では、前年度に計画したプログラムを限定した部署で実施し、学習成果評価、プログラム評価を行う。平成28年度の第3段階では前年の検証に基づきプログラムの改善を図りクリニカル・クラークシップIPEプログラムを実施する。平成27年度には上記の第2段階として大学病院集中治療部および小児科のクリニカル・クラークシップにおいて医学、看護、薬学部の学生が参加してIPEを実施し、参加学生および実習指導者に対する調査を行った。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度にクリニカル・クラークシップにおけるIPEの学習到達目標(卒業時IPEコンピテンシー)を設定し、関係する学部の教員・実習施設の指導者の間の調整を行った。平成27年度には大学病院集中治療部および小児科のクリニカル・クラークシップにおいて医学、看護、薬学部の学生が参加してIPEを実施し、参加学生および実習指導者に対する調査を行った。平成28年度には前年の検証に基づきプログラムの改善を図り、さらに多部署でのクリニカル・クラークシップIPEプログラムを実施する。さらにプログラム終了後、前年度と同じ評価尺度での評価を行なう。得られたデータを集計し、前年度以前に得られたデータと比較検討し、IPEの教育効果、実施上の課題を検討する。
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