研究実績の概要 |
研究の目的:専門職連携教育(Interprofessional Education、以下IPE)は、チーム医療実践能力を修得させることを目的として、多くの医療・福祉系の学部・大学で実施されるようになってきている。しかし多くのプログラムが臨床前教育にとどまり、クリニカル・クラークシップにおいてIPEプログラムを導入している大学は少数である。本研究はクリニカル・クラークシップへ医・薬・看護学生が参加するIPEプログラムを導入し、医・薬・看護学生の専門職連携能力の向上をこれまでに研究代表者らのグループが開発した評価尺度を用いて測定し、プログラムの有用性を検証する。さらに現在継続中のIPEの卒後に及ぶ長期的教育効果の検討も継続して行う。 これまでの実績:2007年から開始した千葉大学のIPE(亥鼻IPE)は医療系3学部である医・薬・看護学部が協働して実施する1年次から始まる多年次積み上げ式のIPEプログラムであり、各年次に対応する4つのステップで構成される。連携研究者らが開発した専門職連携能力尺度、Chiba Interprofessional Competency Scale(CICS-29) (Yamamoto, J Interprofessional Care 2013)、を用いた調査により、医学部学生への臨床前IPEプログラムの臨床実践での有用性が実証された。(Asahina、AMEE、2013) 本研究の成果:本研究ではクリニカル・クラークシップにおいて医・薬・看護学部および大学病院の臨床指導者が協働でIPEプログラムを開発し、プログラム実施前後の学生及び医療専門職の専門職連携能力の評価を比較検討した。また、教員および臨床指導者、参加学生にインタビュー調査を行い、プログラムの有用性および実施上の課題を検討した。
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