講義時間の短縮前後で学生の学力がどのように変化したかの調査を行った。学生の学力については旧カリキュラム2年分と新カリキュラム2学年分の比較を行うことで調査した。具体的には、平成27年4月までに実施された講義のうち、この4学年に対し同一の主任担当教員の下で行われた講義の学期末の成績および共用試験機構にて行われるCBTの結果がどのように変化したかをT検定により検定した。対象となった10の講義成績の平均点合計では、旧カリキュラムの合計707点に対し新カリキュラムでは合計727点であり、有意な差を認めなかった。CBTについては、新・旧カリキュラム学生の成績に有意な差を認めなかった。以上の結果より、授業時間を90分から60 分60短縮し、全体の授業時間を2/ 3程度としても全体の成績は悪化しないと結論付けた。授業時間短縮について学生に対し行ったインタビューおよびコンジョイント分析では、授業時間が短縮されると学生はよりポイントが明確になるような授業を望むことが明らかになった。 最終年度は主に地域参加型臨床実習が学生に与える影響についての調査を行った。実習を地域参加型にすることにより、学生はより病院の雰囲気を重要視し、より多くの病院をマッチング登録する傾向がみられた。また、地域内にて実習を行う学生数は変化しなかったが、これまでとは違い比較的小規模な病院を希望する学生の数が増加した。今後は、この傾向の継続性について観察するとともに、何が学生の選択に作用しているかをマーケチングの視点から明らかにしていきたい。
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