研究課題/領域番号 |
26460596
|
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
平川 仁尚 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (00378168)
|
研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
キーワード | 終末期ケア / ケアマネジャー / 在宅看取り / 教育プログラム |
研究実績の概要 |
本年度、非医療系在宅ケアマネジャーの終末期ケア教育ニーズの抽出ならびに在宅終末期ケアマネジメントサポートシステムの試作を行った。まず、名古屋市とその近郊に勤務する多職種(医師、看護師、ケアマネジャー、ホームヘルパー)6名による高齢者の終末期ケア教育に関するフォーカスグループインタビューを月1回程度計10回実施した(1回2時間)。その結果、教育テーマとして、「延命・救命治療」、「終末期高齢者の家族とのコミュニケーション」、「医療職との連携・連絡」、「認知症終末期にみられる苦痛症状」、「終末期ケアマネジメント」、「自己決定支援」、「先行事例の検討法」、「アドバンスケアプランニング」、「在宅での看取りのやりがい(メリット)」などが抽出された。そのテーマ一つひとつに対して、名古屋市およびその近郊の市の医師会、介護支援専門員協会、社会福祉協議会等の監修を受けながら、終末期ケアマネジメント教育支援資料や事例検討ツールの開発を行った。また、在宅の看取りについてやりがいを持てるように、看取り経験の多いケアマネジャー(ロールモデル)や成功事例の紹介ビデオ・在宅の看取りの意義を伝えるビデオ等については、現在制作中である。在宅の看取りに関し家族に説明する際のインフォームド・コンセント支援ツールも先行事例を参照して作成した。 また、本サポートシステムの効果判定のために、フォーカスグループで在宅ケアマネジャーのための終末期ケアに対する態度を測定する評価票を作成した。まず予備調査として、フォーカスグループでFrommelt のターミナル態度尺度日本語版(FATCOD-B-J)を基に在宅ケアマネジャー用に文言や項目の調整を行った。続いて、全国の拠点6市の在宅ケアマネジャーに対してキーインフォーマントインタビューを実施し、修正のためのフィードバックを得て、評価票の最終版を作成した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度の目標としていた在宅終末期ケアマネジメントサポートシステムの構築とその評価票の作成は概ね完了したと考えている。現在、来年度前半に名古屋市で実施する本システムの説明会の準備中である。
|
今後の研究の推進方策 |
研究計画の変更または研究を遂行する上で課題があれば、対応も入力。 今後は、在宅終末期ケアマネジメントサポートシステムの説明会の実施と予備調査を予定している。具体的には、名古屋市とその近郊において、ケアマネジャーを対象に「在宅終末期ケアマネジメントサポートシステム」説明会を実施する。そして、計30名程度に試験的に使用してみた感想等を集め、課題等を修正する。次に、在宅終末期ケアマネジメントサポートシステムの本格的実施とその効果の検証を行う。具体的には、平成27年度後半から平成28年度前半にかけて、全国拠点6市(北海道、秋田、神奈川、石川、姫路、徳島を予定)で「在宅終末期ケアマネジメントサポートシステム」説明会を行い、参加するケアマネジャーに6か月間システムを利用してもらう(全国で200名程度を想定)。システム導入前後とフォローアップの評価に、前述の評価票を用いる。その他、支援資料に準拠した内容の理解度を問うテストも合わせて行い、システム導入による効果を判定する。平成27年度は全国拠点6市のうち2市で行う予定である。
|