研究課題
【目的】IPEにおけるiPED活用の教育効果を質的に探索した。【方法】[iPEDを用いたIPE(2014.11-2015.11)]愛知県の医学生1名、東京都の看護学生1名、北海道の薬学生1名、Ⅱ型糖尿病患者1名を1チームとし、これを2チーム編成した。学生はiPEDを活用し、患者の療養を継続的に支援した。[データ採取(2015.12)]IPE終了後、参加者を学生グループ(計6名)、患者グループ(計2名)に分けてそれぞれに、iPEDを活用した1年間を振り返る内容のフォーカスグループを行った。[分析(2016.1-)]質的データ分析の1手法であるSCAT(Steps for Coding and Theorization)を用いて、語りに内在する意味を解釈し、教育効果を記述した。【結果】[学生に対する効果]①跳弾効果:患者に寄り添う看護学生の声掛けが、翻って病気に固執しがちな医・薬学生の視点を揺さぶる。②鏡像効果:自学部生のコミュニケーションスタイルが他学部生に波及し、それを第三者的に目撃することにより、自学部役割を再認識する。[患者に対する効果]①伴走効果:都度のレスポンスによる迅速な承認が療養意欲を高める。②見守り効果:“言われない”ゆるい繋がりが自発性を引き出す。[学生・患者に対する効果]①発展的な方向性の獲得:医学生、看護学生、薬学生、患者それぞれが自らの学習を発展させるべき方向性を得る。②障壁の克服:iPEDによる長期的協働学習が空間的・時間的・心理的障壁を解消する。【結論】iPEDは学生・患者双方に対する独自の教育効果をもち、IPEを促進し得る。【最終年度の成果】上記を、AMEE2016(バルセロナ、スペイン)、第62回医学教育セミナーとワークショップ in 兵庫医大(西宮市)及び、iPEDプロジェクト成果発表会(名古屋市、札幌市)で発表、今後の方向性の議論を行った。
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ファルマシア
巻: 52 ページ: 644-646
http://doi.org/10.14894/faruawpsj.52.7_644
日本薬剤師会雑誌
巻: 68 ページ: 471-745