研究課題/領域番号 |
26460606
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
小田 康友 佐賀大学, 医学部, 教授 (60253621)
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研究分担者 |
大西 弘高 東京大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (90401314)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 問題基盤型学習 / 学生テューター / 教育能力評価 / 教育運営コスト |
研究実績の概要 |
医師であれば専門が何であれは把持ておくべき基本的スキルの中で、見落とされがちなのが、教育能力である。医療面接や身体診察、検査等のスキル教育が充実してきた現在も、医師の教育能力を養成する系統的なプログラムは医学部教育には存在せず、卒後の研修を通して、各種セミナーで教育技法について触れつつも、主として経験的に習得される。このことは医学生・研修医のキャリアにもマイナスとなっている。現場で伸びるためには、自らを客観的に評価し・動機付け・教育する能力であり、指導医のみならず同僚、後輩から学び取り、教えあう力である。個の能力を向上させることが、現在までに行われてきた医学教育改革を有機的に連携させ、効果的に機能する道が開ける。 また、能動的学習が求められながらも、万派和不足が年々深刻化する大学教育環境において、学生の教育能を高め、教育スタッフとして活用することができれば、教育運営上も多大な効果をもたらす。 本研究では、医学生の教育能力を、問題基盤型学習におけるテューターを行っている場面を用いて測定し、教員と比較することによってその特性を把握するとともに、学生が教育に参加することによる教育運営上の効果を調査する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
H26年から27年度にかけて、佐賀大学医学部で実施している問題基盤型学習におけるテューターを、6年次学生(系56名、23週)が勤めた。その際、①指導を受けた3年次学生によるテューター評価(教育能力評価表)、②医学生の自己学習評価、③テューターによる教育の自己評価(前出、教育能力評価表)を用いて評価した。教育運営コスト(時間・人)を、すべてのテューター教員が勤めていた場合と比較した。 上記①~③の評価によって、学生テューターの特性として、「学習者が学習しやすい雰囲気作り」「学習者自身の知識習得・問題解決の取り組みの支援」に優れ、学生の「グループ討論への積極的参加」「症例に関する推論と問題抽出」に影響を与えていることがわかった。一方、「事前学習」「課題に基づく自己学習」への影響力は小さいことがわかった。
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今後の研究の推進方策 |
上記結果は、過去の研究結果とも矛盾しない。このような学生テューターの教育技法の特徴を、事前のテュータートレーニングによって改善しうるかの試みを行っている。また、下級生によるテューター評価は、その学生の抱いている学習観・学習習慣によっても左右されることが明らかとなり、その要因を評価しなければならないことに思い至った。それについては、米国で開発された自己主導型学習能力評価表を用いた調査を追加した。
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