本調査は、6年次医学生は適切な事前トレーニングを受けることにより、3・4年次学生の問題基盤型学習プログラムにおいて教員同等の教育能力(テューター能力、学習者の自己学習の誘導能力)を発揮しうることを示唆した。また、2週間という短期間でも、教育能力は優位に向上しただけでなく、教育観は正解への到達重視から、到達する過程重視へと転換し、自らの学習の到達段階や学習の姿勢を省みることもできた。教育リソースの観点では、同期間の問題基盤型学習に要する人員の内、20.4%を学生テューターがカバーし、運営に要するマンパワーを削減した。
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