研究課題
初年度(H26年度)は文献レビューを行うと共に平成19年度国民生活基礎調査の匿名データを用い、関節リウマチ(RA)患者の生活背景についての分析を行った。H27年度は、さらに統計法第33条に基づき、厚生労働省より平成25年度国民生活基礎調査の提供を受け、年齢別有病率や性差、日常生活の制限、心身の負荷などについて分析した。H28年度は、初年度の文献レビューおよびH27年度のヒアリング調査から、「患者自身の全般評価」をどのように行うかについては患者自身も戸惑いがあること、患者の自助グループ活動が治療効果の向上に有用であることが示唆されたため、「RA患者自身の全般評価と患者同士の情報交換の場」に関するアンケート調査とフォーカスグループを実施した。愛知県内の医療機関に勤務する認定リウマチ専門医・指導医41名の協力の下、計449通の返送があり、愛知県内におけるリウマチ患者同士の情報交換活動は活発とはいえないが、参加経験者は比較的高い満足度を得ている現状が分かった。フォーカスグループは計4回、全体で32人のRA患者が参加し、「患者自身の全般評価」について、多くの患者がより具体的な評価を望んでいることが明らかとなった。しかしながら、1つの指標で「リウマチの具合」を表現することは簡便であり、自己管理に役立つとも考えられ、主治医と対話しながら自分自身の全般評価の決め方を確立していくことにより、意味のある治療評価の指標になりうることが示唆された。H29年度はH28年度に行ったフォーカスグループおよびアンケート調査の分析結果をまとめながら、調査協力施設でのRA患者コホート調査の準備を進めた。また、新たに平成28年度国民生活基礎調査のデータ利用が可能となったため、厚生労働省に統計法第33条による調査票情報の提供依頼申請をし、平成29年11月22日に承諾を受け、RAの全国患者数の推計、疫学特性の分析を開始した。
4: 遅れている
当初の予定では、初年度にコホート調査の調査項目を設定し、次年度に調査を開始することになっていたが、準備が整わず調整中である。しかしながら、国民生活基礎調査のデータ分析、アンケート調査とフォーカスグループの実施など、別のアプローチにより、課題の検証を行うことができた。
今年度は、国民生活基礎調査のデータ分析を進めつつ、コホート調査の準備を行う。
当初予定していたコホート調査の実施が遅れている。また、欧州リウマチ学会に参加する予定であったが、日程が合わず参加できなかった。H30年度中にはベースライン調査を実施し、海外学会にも参加する予定である。
すべて 2018 2017
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (8件)
Modern Rheumatology
巻: 29 ページ: 335~343
10.1080/14397595.2018.1457468
International Journal of Rheumatic Diseases
巻: - ページ: -
10.1111/1756-185X.13237
巻: 28 ページ: 474~481
10.1080/14397595.2017.1349593
巻: 27 ページ: 924~929
10.1080/14397595.2016.1276511