研究課題
本研究では、まず愛知県内の医療機関に勤務する学会認定リウマチ専門医・指導医41名の協力の下、アンケート調査とフォーカスグループを実施した。その結果、「患者自身の全般評価」について、多くの患者がより具体的な評価を望んでいるが、1つの指標で「リウマチの具合」を表現することは簡便で自己管理に役立つと考えられ、主治医と対話しながら自分自身の全般評価の決め方を確立していくことにより、意味のある指標になりうることが示唆された。統計法第33条に基づき、厚生労働省より平成28年国民生活基礎調査の提供を受け、関節リウマチ患者の全国患者数の推計を行った。RA受療率は男女とも年齢と共に上がり、特に女性では50代後半、男性では60代に大きな受療率の増加が見られ、好発年齢であることが示唆された。推計患者数は全体で82.2万人(同76.8万-88.0万人)、受療率は0.75%(95%信頼区間0.70-0.80)と推計され、全体の7割近くを65歳以上の高齢者が占めることが示された。また本研究では、大学病院受診中のRA患者444名から協力同意を得て、コホート研究のデータベース構築を行った。385名から心理社会的要因を含むアンケート調査と臨床データを収集し、フレイル関連要因の探索を行ったところ、RA患者は比較的若い年令でもフレイル該当者が多く、疾患活動性、身体機能のほか、抑うつの関与が大きいことが示された。RA患者は今後益々高齢患者の増加が予測され、発症後早期からフレイル予防を意識し、心理面を含む包括的な支援が必要と考えられる。
すべて 2020 2019
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)
Modern Rheumatology
巻: - ページ: 1~9
10.1080/14397595.2020.1719607
巻: - ページ: 1~7
10.1080/14397595.2019.1682776
BMJ Open
巻: 9 ページ: e028105~e028105
10.1136/bmjopen-2018-028105