研究課題/領域番号 |
26460611
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
木村 琢磨 北里大学, 医学部, 准教授 (50722154)
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研究分担者 |
野村 恭子 帝京大学, 医学部, 准教授 (40365987)
赤星 透 北里大学, 医学部, 教授 (70159325)
今永 光彦 独立行政法人国立病院機構東埼玉病院(臨床研究部), 機能回復・成育医療研究室, 内科医長 (00754847)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 総合診療医 / 専門医 / 病院勤務医 / 内科系専門医 / キャリア転向 / 質的研究 |
研究実績の概要 |
1、本研究においては、まず「専門医にとっての望ましい総合診療医キャリア転向研修」に関するインタビュー研究を行った。10領域の内科系の臓器・領域専門医取得者から、それぞれ男女各10名、計20名にインタビューを行い、その分析を行い、以下が明らかになった。 病院勤務の臓器・領域の専門医資格を有する内科系医師の「総合診療医」へのキャリア転向に関連する因子の探索を行った。そして、促進因子として『総合診療医の特性が活かせるキャリアプラン』『現実的条件を兼ね備えた質の高い研修』『多様な働き方と学習機会を有する資格』が、抑制因子として『総合診療医への理解不足』『再研修に伴う困難性』『総合診療医の包括性への抵抗感』が明らかになった。 2、つぎに、質的研究の結果と先行研究をふまえ、質問紙票を作成し、量的調査を行い分析を行った。新専門医制度における「総合診療医」のマンパワー確保に臓器・領域の専門医資格を有する内科医師は有用である。そこで、「臓器・領域の専門医資格を有する内科系医師」における“総合診療専門医”の取得希望を明らかにした。 新専門医制度による“総合診療専門医”が平成29年4月から開始予定とされていた平成28年1-4月に「内科学会関連学会の臓器・領域の専門医保持者」2,666名を対象に“総合診療専門医”に関する質問紙票による郵送調査を行った。 結果は、“総合診療専門医”の取得希望について「あり」と回答したものは404名中の35% であった。“総合診療専門医”の取得条件については、“総合診療専門医”の資格希望「あり」と回答した群で、「なし」と回答した群よりも有意に認知が高かったものに、「資格を取りやすくすべき」、「診療報酬を増やすべき」、「現在の職場を辞めないで受験資格が得られるべき」があった。「総合診療の臨床内容」25項目については、取得希望の有無2群比較で概ね違いはなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究は、まず、「専門医にとっての望ましい総合診療専門医キャリア転向研修」を主題とする半構造化面接を行い、どの様な背景(どの専門診療科・専門領域の医師が、どのような理由で総合診療医を志向するかなど)や、どの様な条件(総合診療医になる上で求められる研修内容、期待される臨床業務)なら総合診療医を志向するかを、質的に探索した。 つぎに、質的研究の結果と先行研究をふまえ、質問紙票を作成し、量的調査を行い分析を行った。現在、分析はほぼ終了しており、論文作成と投稿を開始している。 当初は、今年度中に論文投稿までを終了させる予定であった。よって、現在までの達成度は、やや遅れていると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
まず、質的研究において、病院勤務の臓器・領域の専門医資格を有する内科系医師の「総合診療医」へのキャリア転向に関連する因子の探索を行った。そして、促進因子として『総合診療医の特性が活かせるキャリアプラン』『現実的条件を兼ね備えた質の高い研修』『多様な働き方と学習機会を有する資格』を、抑制因子として『総合診療医への理解不足』『再研修に伴う困難性』『総合診療医の包括性への抵抗感』を明らかにした。これを論文化する予定である。 つぎに、量的研究において、「臓器・領域の専門医資格を有する内科系医師」における「総合診療専門医」の取得希望を明らかにした。そして、「総合診療専門医」の資格希望「あり」と回答した群で、「なし」と回答した群よりも有意に認知が高かったものに、「資格を取りやすくすべき」、「診療報酬を増やすべき」、「現在の職場を辞めないで受験資格が得られるべき」があることを明らかにした。これを論文化する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
第一に、今年度行った質的な分析の論文化は現在、投稿・査読中であり、そのためのコストが、未だ使用されていないためである。 第二に、今年度、回収し分析した質問紙票による量的調査の論文化は現在、投稿・査読中であり、そのためのコストが、未だ使用されていないためである。以上より繰り越しを余儀なくされている現状である。
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次年度使用額の使用計画 |
第一に、現在、投稿・査読中である質的な分析の論文化に使用予定である。 第二に、現在、投稿・査読中である量的な分析の論文化に使用予定である。
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