研究課題/領域番号 |
26460613
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研究機関 | 東京医科大学 |
研究代表者 |
ブルーヘルマンス ラウール 東京医科大学, 医学部, 准教授 (50424601)
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研究分担者 |
青木 昭子 東京医科大学, 医学部, 准教授 (80315811)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | eポートフォリオ |
研究実績の概要 |
本年度は、診療参加型臨床実習におけるeポートフォリオの高い教育効果と持続可能性の検討と実現に向けて、下記を実施した。 (1) オンラインデータベースを使用し、グループインタビュー調査および質問票調査のための論文や調査報告書等の資料を収集し、分析した。 (2) 収集した資料を参考に、医学部学生調査で使用する質問票の試作版を作成した。 (3) 本学と同じMoodle とMaharaをベースとしたLMSとe ポートフォリオを運用していたカリフォルニア大学サンフランシスコ校医学部が、eポートフォリオの運用を中断した。そのため、予定していた視察を取りやめ、代わりに中断した理由に関する情報を参考資料として入手した。 (4) 医学部学生・教員を対象とした調査を行う予定だったが、準備段階でのヒアリングの結果、学生も教員もeポートフォリオに関する認識がほとんど皆無であることが判明し、調査を実施する前に学生も教員もeポートフォリオに触れる必要があると判断した。協力が得られた教員と共同で、一部の学年と科目においてeポートフォリオの使用を開始した。 (5) 第6学年の臨床実習において、本学eラーニングシステム「e自主自学」を用いて、学生を指導医、看護師、学生が360度評価し、被評価者にフィードバックできるようにシステムを構築した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
計画では、質的研究の手法を用いて、高い教育効果と持続可能性を実現するための診療参加型臨床実習ポートフォリオの中身と運用体制を、下記の4つの項目により検討する予定であった。 (1) カリフォルニア大学サンフランシスコ校のeポートフォリオ運用状況の視察 -- 視察の準備のためカリフォルニア大学サンフランシスコ校に連絡した結果、eポートフォリオの運用を中断していることが判明したため、視察ができなかった。中断した理由を問い合わせた結果、コンピテンシー評価の体制が未熟だったこと、持続可能性に問題があったことなどがわかり、視察はできなかったものの、本研究の重要な参考になった。 (2) 全学生を対象としたeラーニングやe ポートフォリオを含めたICT技術に対する意識調査、(3) 教職員のe ポートフォリオメンター制度に対する意識調査 -- 医学部での学生を対象とした質問票調査および教員を対象としたグループインタビュー調査を実施する予定であったが、調査の実施が遅れ、本年度中に実施することができなかった。その大きな理由は、調査の内容を検討する段階で学生および教員のヒアリングを行った結果、学生も教員も予想以上にeポートフォリオについて全くどういうものかわからないことが判明し、有用な結果を得るためにはまず少しでもeポートフォリオに触れてからの実施が望ましいという結論に至ったためである。そのため、平成26年度後期から一部の科目においてeポートフォリオの使用を開始し、平成27年度前期でさらに増やし、平成27年度前期中に調査を実施する計画に変更した。 上記のように、計画通りの調査実施はできなかったため、遅れが生じてはいるが、より有用な調査結果を得るための遅れであり、次年度以降に回復が可能な遅れの状態であるといえる。 (4) eラーニングシステム「e自主自学」の拡充 -- 計画通リの構築ができた。
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今後の研究の推進方策 |
当初計画では、初年度の平成26年度に医学部学生および教員への調査を実施し、平成27年度よりeポートフォリオの本格的な使用を開始する予定であった。初年度の後期よりeポートフォリオを部分的に導入してから、平成27年度前期中に調査を実施する計画に変更する。これ以外の変更はなく、平成27年度の計画通りに実施していくため、平成27年度前期中に遅れを取り戻すことが可能であると考える。
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次年度使用額が生じた理由 |
少額の端数を繰り越したため。
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次年度使用額の使用計画 |
平成27年度分と合算して使用する。
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