研究課題/領域番号 |
26460614
|
研究機関 | 聖マリアンナ医科大学 |
研究代表者 |
信岡 祐彦 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 教授 (10189425)
|
研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
キーワード | 医学教育 / 心臓聴診技法 |
研究実績の概要 |
心臓聴診手技教育において、はじめから心雑音の全体を聴かせるのではなく、正常な心音に、異常な心音を徐々に音量を上げて追加していくことで、これに注意を向かせ、心周期の中で異常な心音や心雑音を把握する手法が有効ではないかと考えた。この手法は、これまでの心臓聴診教育の中ではみられなかった手法であり、どういう効果を有するか興味深い。そこでまず医学部4年次の学生33名を対象として、Ⅲ音とⅣ音について、心音を漸増した場合とそうでない場合とで所見のわかりやすさについて検討を行った。検討は心音が聴き取れましたか?という質問に対して、聴き取れた、少し聴きとれた、あまり聴き取れなかった、聴き取れなかった、の4段階で回答してもらう方法をとった。 結果、Ⅲ音については、聴き取れたと回答したものが14/33から21/33に増加し、あまり聴き取れなかったは3/33から1/33へと減少した。IV音では、聴き取れたと回答したものが10/33から21/33に増加し、あまり聴き取れなかったは3/33から2/33へと減少した。 今回の心音漸増追加方式は、未だ検討は不十分な段階であるが、予想された効果が見込めるものと考えている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
心雑音をディジタル化し、任意の音量で漸増させるシステムの構築に時間を費やしていることが主な理由である。
|
今後の研究の推進方策 |
まず心雑音の大きさを任意に追加できるシステム構築の完成を目指す。 心雑音漸増追加方式の有用性について、これまではまずはじめに通常の状態を聴かせて、次に漸増方式で聴かせるという手法で評価を試みたが、これが適当な手法であるのかどうか、他に有用な手法があるかどうかを検討しなければならない。同じ心音・心雑音であれば2度目に聴いた方が聴きやすくなっていると考えられる。学生(学習者)を2群に分けて検討する方法も考える必要がある。
|
次年度使用額が生じた理由 |
H26年度はシステムの開発が遅れたため、既存の設備を用いて研究を進めたことから、直接経費は発生しなかった。今年度は研究計画に沿って、心雑音漸増追加方式のシステム構築を完成させるべく、昨年度分を今年度に繰り越すこととした。
|
次年度使用額の使用計画 |
心音、心雑音をデジタル化し加工を行うための資器材購入経費として、当初計画では初年度(平成26年度)に使用予定であった1,200,000円を、今年度に繰り越して使用する。
|