1970年代、精神医療改革運動が起こった。その中で生活療法は批判された。 ①精神科看護者は改革派医師たちのように社会構造と精神医療構造を結び付けて、イデオロギーを声高に叫ぶことはしなかったし、そこに同調することもなかった。しかし、別の動機から精神病院の開放化や地域精神医療体制の構築へと、看護者独自の取り組みや「改革」もなされた。 ②生活療法は、「療法」という名を冠しており「治療」としての意味づけを付与されたことになり、専門性と地位確立の途上であった看護者にとって、アイデンティティ獲得につながっていた。しかし、生活療法批判は精神科看護者のアイデンティティにゆらぎをもたらした。
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