研究課題/領域番号 |
26460616
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研究機関 | 森ノ宮医療大学 |
研究代表者 |
増山 祥子 森ノ宮医療大学, 保健医療学部, 講師 (10454688)
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研究分担者 |
山下 仁 森ノ宮医療大学, 保健医療学部, 教授 (10248750)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 利益相反 / 研究倫理 / 代替医療 / 臨床試験 / 東洋医学 |
研究実績の概要 |
日本の代替医療系の学術活動において、利益相反(COI)およびその他の研究倫理に関する周知や取扱いについての現状をひきつづき調査した。日本国内の鍼灸臨床研究論文・抄録を掲載する学会または研究会の投稿規程におけるCOI等の取扱いの現状を知るため、関連文書およびWebサイトを用いて検討を行った。 2015年12月末時点で、収集した13の学会・研究会の投稿規程に明記されていたのは、「COI申告書提出」2団体(15%)、「COIの論文明記」5団体(38%)、「臨床試験事前登録」5団体(38%)、「倫理委員会の承認」6団体(46%)、「インフォームドコンセント」4団体(31%)、であった。これら13団体のうち日本学術会議協力学術研究団体は6団体(46%)で、上記5項目すべてを満たしていたのは2団体(15%)であった。この2団体の投稿規程にはCOIの開示について、論文を投稿する場合、または学会発表時のスライド表示と明記されているが、抄録提出時の申告・開示義務の記載は見当たらなかった。これらの結果からも鍼灸の臨床研究論文を掲載する学術雑誌は、COI等のマネージメントに関してさらに検討の余地があることが示唆された。少なくとも2008年以降の日本における最大の鍼灸学術大会抄録集にはCOIの申告・開示が望ましいと思われる演題が存在した。今後、当該団体、学術雑誌および学術大会において、研究倫理とCOIに関する妥当な規程のあり方に関する議論と対応が必要と思われた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
代替医療領域の学術雑誌でのランダム化比較試験掲載数の少なさから調査対象の範囲設定に時間を要していた。
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今後の研究の推進方策 |
今後も一定の基準に基づき系統的に収集・調査を行うが、各雑誌に掲載されている臨床試験の質の調査を行うに当たって、主要な東洋医学系雑誌以外の代替医療雑誌ではランダム化比較試験論文の投稿が少ないため、東洋医学系雑誌とその他該当する統合医療雑誌に絞り込み調査することを検討している。早急に投稿規程の調査の後、各雑誌に掲載している臨床試験の質についての検討を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
前年度の成果発表が今年度に延期してしまったことにある。
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次年度使用額の使用計画 |
今年度は医療の質に関する研修会・海外学術セミナーおよび成果発表に使用する予定となっている。
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