研究課題/領域番号 |
26460618
|
研究機関 | 西九州大学 |
研究代表者 |
横尾 美智代 西九州大学, 公私立大学の部局等, 教授 (00336158)
|
研究分担者 |
宮城 由美子 福岡県立大学, 看護学部, 准教授 (20353170)
早島 理 龍谷大学, 文学部, 教授 (60108272)
|
研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
キーワード | 予防接種 / 保護者 / anti vaccine / 聞き取り調査 / リスクコミュニケーション |
研究実績の概要 |
ワクチン接種を育児上のハイリスク要因と捉え、我が子の感染症罹患リスクは子育てを丁寧に行うことで軽減可能という判断に基づいた保護者の存在はこれまでの研究から確認されている。本研究の目的は共同体の中でワクチン接種児と接種拒否児が健康にかつ安全に過ごすための方略を模索することである。その手段として接種拒否から接種への意識変容、行動変容の可能性を探ること、変容を支援するあるいは不安軽減に繋がるリスクコミュニケーション資料の作成など積極的なアプローチを検討している。 本年度までの研究から「予防接種を行わないことで発生するリスクとその対応」、「ワクチン接種を行わなかったことで自児が他者(特にワクチン年齢に到達していない乳児、高齢者などの社会的弱者)へ感染症を蔓延させてしまった場合の対応」、「共同体で感染症の被害者、加害者にならないようにするために、保護者はどうしたらいいと思うか」の3点を中心に聞き取り調査を実施した。保護者は予防接種を行うか、行わないか、どちらを選んでも我が子に何かしら影響(リスク)があることに対して、納得できる説明を希望しているにもかかわらずそれが十分に叶えられていない点に不満と不安があることが明らかになった。 研究遂行上、平成27年度下半期には、感染症予防活動を積極的に展開している小児科開業医集団に協力を依頼し、保護者への調査から明らかになったワクチン拒否保護者の問題点について開業小児科医とのディスカッションとリスクコミュニケーション資料作りを実施する予定であったが遅延している。そのため次年度はこのステップからさらに研究を進めていく予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
平成27年度上半器の「フォーカスグループインタビューの実施」の準備に手間取ったため、下半期の研究計画項目である「開業小児科医とのディスカッションとリスクコミュニケーション資料作りの準備」が遅延してしまい、本年度中に実施することができなかった。そこで次年度に実施する予定で準備中である。
|
今後の研究の推進方策 |
平成27年度の調査内容の精査を踏まえて、今後は「開業小児科医とのディスカッションとリスクコミュニケーション資料作りの準備(平成27年度下半期に予定していた調査)」および「リスクコミュニケーション資料集の作成」(平成28年度上半期予定)に加えて、他の先進国のanti-vaccine movementとの違い、日本独特の文化的背景等について討議し、論文執筆を実施する予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
昨年度下半期の研究計画であった「開業小児科医とのディスカッションとリスクコミュニケーション資料作り」が研究遂行上の遅れから、次年度持ち越しとなった。そのため、感染症予防活動を積極的に展開している小児科開業医集団への調査協力依頼等に要する費用の支出が次年度持ち越しとなったため、本年度に余剰が生じた。
|
次年度使用額の使用計画 |
次年度が最終年度であるため、今年度の未使用分576,900円と本年度使用額1,500,000円を合算し、平成27年度下半期の研究と平成28年度の研究計画の両方を実施し、本研究を簡潔する予定である。
|