患者中心のがん診療には専門医と一般診療医の連携が必須だが、十分とは言えない。初期臨床研修医や一般総合診療に期待されるがん診療を、初期研修医の教育ニーズと専門医の求める到達目標から検討するため、国立国際医療研究センター病院初期臨床研修医およびがん専門医の有志に対しグループインタビューを行った。研修医群では症状への対応そのものを学習課題と認識し、特に緩和ケアの対応に苦慮していた。専門医では患者の社会的背景や病院の運営体制への配慮により意識が置かれていた。以上から、緩和医療および社会的背景への配慮を意識した研修医教育と一般総合診療でのがん診療連携を意識した運営体制が求められると考えられた。
|