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2014 年度 実施状況報告書

がん薬物療法におけるサルコペニアの臨床的意義

研究課題

研究課題/領域番号 26460626
研究機関名古屋大学

研究代表者

安藤 雄一  名古屋大学, 医学部附属病院, 教授 (10360083)

研究分担者 満間 綾子  名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任講師 (10467326)
浦川 浩  名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任助教 (60584753)
下方 智也  名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任助教 (70612745)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワードサルコペニア / 分子標的治療薬 / がん薬物療法
研究実績の概要

サルコペニアを有するがん患者ではがん薬物療法による副作用が強く,また治療の耐容性が低いという仮説の検証を目的とする研究である.
平成26年度はがん薬物療法を受ける患者を対象にサルコペニアの臨床的意義について検証した.mTOR阻害薬の単剤治療を6カ月以上受けた腎がん16例と膵内分泌腫瘍1例の計17例を対象として,市販ソフトを用いてCT上L3レベルの全筋肉面積を指標とする筋肉量を後ろ向きに評価した.その結果,身長で補正後のL3レベルの筋肉量は有意に減少しており(49.99 cm2/m2→ 43.35 cm2/m2, -6.64 cm2/m2, p=0.037),mTOR阻害薬の薬物効果によるサルコペニアの促進が示唆された.また,Pradoらの診断基準によるサルコペニアは治療開始時に10例(58.8%),6カ月後に13例(76.5%)に認めた.
関連する研究として,過去にシスプラチンとTS-1併用による化学療法を受けた胃がん患者53例を対象に,CT上L3レベルの全筋肉面積を指標とする筋肉量とCT値を指標とする筋肉内脂肪含有量(SMD)を後ろ向きに評価した.SMDは筋肉部位のCT値の平均であり,筋肉内脂肪含有量の増加によって低下する.全生存期間はSMD正常群(22例,12.8ヶ月)がSMD低下群(31例,8.6ヶ月)より有意に長く(p=0.046),多変量解析において独立予後因子であった(p=0.012).
現在,これらの研究成果を英文論文として投稿の準備中である.胃がん患者を対象とした研究の一部は本年度の学会にて発表した.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度の研究によってほぼ仮説に沿った研究成果を得ることができた.しかし,後ろ向き検討として実施したため,バイオマーカーの探索,生体インピーダンス分析法によるサルコペニア評価などは実施していない.また,前向き研究は現在のところまだ計画中であり,開始していない.

今後の研究の推進方策

mTOR阻害薬治療歴とサルコペニアの関連が明らかにされたことから,平成27年度はmTOR阻害薬を含むキナーゼ阻害薬を投与される患者を被験者として,前向きにコホート研究を実施し,登録時と6カ月後にサルコペニアの評価とバイオマーカーの測定を行う.

次年度使用額が生じた理由

前向き研究の開始が遅れており,その研究で予定していたバイオマーカー測定の経費が未使用となった.

次年度使用額の使用計画

次年度に開始する前向き研究のなかでバイオマーカー測定の経費として使用する予定である.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2015

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 進行再発胃がん患者における筋肉量評価について2015

    • 著者名/発表者名
      林直美、ビシャール・ギャワリ、下方智也、前田修、後藤秀実、梛野正人、小寺泰弘、安藤雄一.
    • 学会等名
      第48回制癌剤適応研究会
    • 発表場所
      オークラアクトシティホテル浜松(浜松市)
    • 年月日
      2015-03-20 – 2015-03-20

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公開日: 2016-05-27  

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