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2015 年度 実施状況報告書

がん薬物療法におけるサルコペニアの臨床的意義

研究課題

研究課題/領域番号 26460626
研究機関名古屋大学

研究代表者

安藤 雄一  名古屋大学, 医学部附属病院, 教授 (10360083)

研究分担者 満間 綾子  名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任講師 (10467326)
浦川 浩  名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 寄附講座講師 (60584753)
下方 智也  名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任助教 (70612745)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワードサルコペニア / 分子標的治療薬 / がん薬物療法
研究実績の概要

サルコペニアを有するがん患者ではがん薬物療法による副作用が強く,また治療の耐容性が低いという仮説の検証を目的とする研究である。
平成27年度は前年度報告したmTOR阻害薬の単剤治療を6ヶ月以上受けた17例患者の解析を、腎がん18例と膵内分泌腫瘍2例の計20例に増やして再検証した。市販ソフトを用いてCT上の腰椎L3レベルの筋肉、皮下脂肪、内臓脂肪の面積から求めた計測値を後ろ向きに評価した。身長で補正後のL3レベルの筋肉量は有意に減少していた:50.2 cm2/m2→ 43.8 cm2/m2,-6.3 cm2/m2, p=0.022)。この結果により、mTOR阻害薬の薬物効果によるサルコペニアの促進が示唆された。また、Pradoらの診断基準によるサルコペニアは治療開始時に12例(60%)、6カ月後に15例(75%)に認めた。これらの研究成果は英文論文として投稿中である。
この研究成果を受け、平成27年度よりmTOR阻害薬を含むキナーゼ阻害薬を単剤投与される患者を被験者として、前向きにコホート研究を開始した。登録時と6カ月後にサルコペニアの評価とバイオマーカーの測定を行う予定である。
関連する研究として、過去にがん化学療法の臨床試験に登録された胃がん患者53例を対象に、CT上L3レベルの全筋肉の面積を指標とする筋肉量とCT値を指標とする筋肉内脂肪含有量(SMD)を後ろ向きに評価した。SMDは筋肉のCT値の平均であり、筋肉内脂肪含有量の増加によって低下する。全生存期間はSMD正常群(22例,12.8ヶ月)がSMD低下群(31例,8.9ヶ月)より有意に長く、多変量解析において独立予後因子であった(p<0.01)。これらの研究成果は英文論文として発表した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

前年度の後ろ向き研究を受けて、平成27年度よりmTOR阻害薬を含むキナーゼ阻害薬を単剤投与される患者を被験者として、前向きにコホート研究を開始しており、現在までに15例を登録した。

今後の研究の推進方策

平成27年度より開始した前向きコホート研究について計40例を目標にして症例を集積する。データが得られた症例では体組成やバイオマーカーの解析を行う。

次年度使用額が生じた理由

ほぼ計画通りに前向きコホート研究が開始しているが、症例集積がある程度進んだ段階でバイオマーカーの解析を行うため次年度使用額が生じた。

次年度使用額の使用計画

平成27年度より開始した前向きコホート研究について計40例を目標にして症例を集積する。データが得られた症例についてバイオマーカーの解析を行うために使用する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2016

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件)

  • [雑誌論文] Low skeletal muscle density is associated with poor survival in patients with metastatic gastric cancer receiving chemotherapy.2016

    • 著者名/発表者名
      Nomi Hayashi, Yuichi Ando, Bishal Gyawali, Tomoya Shimokata, Osamu Maeda, Masahide Fukaya, Hidemi Goto, Masato Nagino and Yasuhiro Kodera.
    • 雑誌名

      Oncol Rep

      巻: 35 ページ: 1727-1231

    • DOI

      10.3892/or.2015.4475

    • 査読あり / 謝辞記載あり

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公開日: 2017-01-06  

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