代表的な薬剤誘発性肝障害アセトアミノフェン(APAP)誘発肝障害の病態発症メカニズムにおけるNpc1遺伝子の役割について検討した。その結果、Npc1欠損マウスでは野生型マウスと比較して、APAP投与後に見られる肝障害が軽微であることが示された。また、CYP2E1の発現量および活性代謝物の産生は、Npc1欠損マウスと野生型マウスに顕著な差はなかった一方で、JNK経路の活性化、ニトロチロシン産生およびDNA断片化などの肝障害発症の重要な因子はNpc1欠損マウスで顕著に抑制されることを見出した。 以上の結果から、Npc1はAPAP誘発肝障害の病態形成に重要な役割を果たすことが示唆された。
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