研究課題/領域番号 |
26460632
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研究機関 | 独立行政法人国立病院機構(久里浜医療センター臨床研究部) |
研究代表者 |
松井 敏史 独立行政法人国立病院機構(久里浜医療センター臨床研究部), その他部局等, その他(移行) (50333802)
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研究分担者 |
樋口 進 独立行政法人国立病院機構(久里浜医療センター臨床研究部), その他部局等, 院長 (40156576)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | アルコール依存症 / ウェルニッケコルサコフ症候群 / 脳血流検査 / MRI / 後部帯状回 |
研究実績の概要 |
平成29年に、脳血流検査を行い、機能上の変化を検討討した。その結果、アルコール依存症者の認知機能低下(MMSEによる)や抑うつ(GDS)に関与する部位として、認知機能低下は後部帯状回が、抑うつに関しては、頭頂葉領域の血流低下に反映されることが示唆された一方で、血流低下は一部萎縮を反映していた。脳血流検査の血流低下にはeZISが汎用されているが、1.SPM2ベースであること、2.撮像するγカメラには機器の個体差があり施設間での補正が必要であること、3.eZIS内の正常高齢者参照画像は他施設のγカメラで撮像されておりこちらも各施設にあわせた補正が必要であること、などの問題点があり、自施設用のSPECT検査参照用データベースを作成し、SPM8を用いて年齢補正を行った上で画像解析を行い、eZISによる画像解析との比較検討を行った。対象は杏林大学付属病院もの忘れセンター初診外来を2005年4月から2014年3月にかけ受診した患者データベースを使用し、CGA項目から年齢相応の認知機能と考えられる患者群231名を選定した。頭部MRI、ECD-SPECT読影から、最終的に34名からなるSPECT参照用データベースを作成。この他にprodromal AD群26名とprodromal VD群サブグループを作成した。この参照用データベースを用い、SPM8ベースの画像解析を行ったところ、臨床上軽度認知機能低下と診断した患者の後部帯状回の血流低下をよく検出。またMRI上前頭葉の萎縮があってもSPM2ベースの解析と比較し、前頭葉の萎縮による見かけ上の血流低下を補正していた。このデータベースは今後のアルコール依存症者の血流低下部位の解析に役立つものと期待される。
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