抗悪性腫瘍効果を有するゲフィチニブなどは上皮成長因子受容体チロシンキナーゼ(EGFR-TK)の選択的阻害剤(EGFR-TKI)である。この薬剤は副作用としてざ瘡様皮疹を高頻度に発症させる。本研究では、①経口投与した薬剤の毛包・脂腺系への移行、②ヒト皮脂腺より前駆脂腺細胞の樹立、③EGFR-TKIによる皮脂産生促進、④皮脂産生抑制作用をもつ新規ざ瘡予防・治療薬候補物質などの新知見を見出した。本研究成果は、抗がん薬によるざ瘡様皮疹の発症機構とその予防・治療に関する薬学的新知見を見出し、今後の抗がん薬の適正使用とアピアランスケアに貢献する。
|