近年、慢性腎臓病 (CKD)が認知機能低下に関連することが報告されている。海馬は記憶形成において重要な役割を演じている。本研究では、CKDマウス海馬におけるストレス関連タンパク質の発現変化を検討した。脂質過酸化マーカーである4-hydroxynonenal付加タンパク質のCKDマウス海馬における発現レベルは、5/6腎摘出8週間後に有意に増加した。また、小胞体ストレスマーカーである78-kDa glucose-regulated proteinの発現が、CKDマウス海馬では増加した。以上より、酸化的ストレスだけでなく、小胞体ストレスも、CKDマウスの認知機能障害に寄与することが示唆された。
|