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2016 年度 実績報告書

抗CCP抗体陰性関節リウマチの特異抗体の検索 ~抗カルバミル化蛋白抗体を中心に~

研究課題

研究課題/領域番号 26460649
研究機関京都大学

研究代表者

大村 浩一郎  京都大学, 医学研究科, 准教授 (40432372)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード関節リウマチ / カルバミル化 / 抗CarP抗体 / アルブミン / 自己抗体 / 対応抗原
研究実績の概要

抗カルバミル化蛋白抗体(抗CarP抗体)はカルバミル化ウシ胎仔血清(FCS)に対する抗体であり、関節リウマチ(RA)患者血清に認められる。今回はその対応抗原の同定を試み、臨床的意義を検討した。抗CarP抗体のWestern blotにみられる主なbandはカルバミル化アルブミンと分子量が似ていることから、カルバミル化ヒトアルブミン(CarALB)を抗原として抗CarP抗体陽性RA患者血清を用いてWesternblotを行ったところ、共通のバンドが認められた。また、抗CarP抗体高値陽性患者血清8検体を用いて抗CarP抗体ELISAを行い、CarALBによる吸収試験を行ったところ、CarALB濃度依存性に抗CarP抗体価の低下がみられ、CarALBが抗CarP抗体の対応抗原のひとつであることが示された。
続いて、抗CarALB抗体の抗CCP抗体陽性、陰性RA患者での陽性率をELSIAにて検討した。抗CarALB抗体は抗CCP抗体陽性RAの44.6%で陽性となり、陰性RAでは18.3%であった(健常者では3.6%)。カルバミル化蛋白とシトルリン化蛋白は構造が極めて類似していることから、シトルリン化アルブミンに対する抗体価もELSIAで検討したが、CCP抗体陽性RAの19.7%、CCP抗体陰性RAの10.3%と明らかに抗CarALB抗体よりも陽性率が低かった。他の膠原病、リウマチ性疾患での抗CarP抗体および抗CarALB抗体の陽性率を検討したが、いずれも10-30%程度の陽性率がみられ、膠原病、リウマチ性疾患とRAの鑑別には有用ではなかった。
最後にカルバミル化を生体内で引き起こすのは好中球に含まれるミエロペルオキシダーゼ(MPO)であることから、RA血清中のMPO濃度を測定したところ、抗CarALB抗体陽性RAでは陰性RAよりも血清MPO濃度が有意に高いこともわかった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2017

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Carbamylated albumin is one of the target antigens of anti-carbamylated protein antibodies.2017

    • 著者名/発表者名
      Nakabo S, Hashimoto M, Ito S, Furu M, Ito H, Fujii T, Yoshifuji H, Imura Y, Nakashima R, Murakami K, Kuramoto N, Tanaka M, Satoh J, Ishigami A, Morita S, Mimori T, Ohmura K.
    • 雑誌名

      Rheumatology (Oxford)

      巻: in press ページ: in press

    • DOI

      10.1093/rheumatology/kex088

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [学会発表] 無細胞タンパク質合成系を用いたハイスループットタンパク合成とAlphaScreenを組み合わせた、関節リウマチにおける新規自己抗体の網羅的検索2017

    • 著者名/発表者名
      中坊周一郎、大村浩一郎、三森経世
    • 学会等名
      第61回日本リウマチ学会
    • 発表場所
      博多
    • 年月日
      2017-04-22

URL: 

公開日: 2018-01-16  

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