遺伝性血管性浮腫(HAE)において、血清学的免疫異常を呈する症例を散見する。これまでにこれを証明する基礎的実験の報告はなく、今回これを証明するため、18名のHAE患者の血清を用いて実験を行った。結果は、HAE患者が血清学的免疫異常を呈する原因と考えられるオプソニン化能の低下と免疫複合体可溶化能の低下を確認することができた。また、数例で抗C1q抗体の検出を認め、これは血清免疫複合体濃度と正の相関傾向にあった。HAE患者で認められる、血清学的免疫異常の所見は、HAEの病態である低補体血症に伴うオプソニン化能の低下や免疫複合体可溶化能の低下に起因する可能性が見出された。
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