研究課題/領域番号 |
26460656
|
研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
佐野 佳弘 昭和大学, 薬学部, 講師 (40338538)
|
研究分担者 |
荒川 秀俊 昭和大学, 薬学部, 教授 (70129807)
|
研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
キーワード | アプタマー / オキシトシン / ホルモン / 臨床検査 |
研究実績の概要 |
Goldらによって提唱されたSELEX法により、オキシトシンに反応性を示すアプタマーの創製を検討した。SELEX法で用いるライブラリーのDNA長や各種条件などを検討した結果、FluMg-SELEX法によりオキシトシンと反応性を示すアプタマーの候補が得られた。しかし、それらの候補には、多くの塩基配列が混在すると推測されるため、アプタマーとしてオキシトシン測定法に適用することはできない。そこで、得られたアプタマー候補の解読を行った。塩基配列の決定として、はじめにTAクローニング法を用いて約100のクローンからプラスミドを調製した。続いて、得られたプラスミドに含まれる塩基配列を決定し、それらについてホモロジー解析を行った。その結果、数多くの塩基配列が得られたものの、同一の塩基配列も多数存在した。この結果は、オキシトシンに反応性を示すDNA塩基配列(アプタマー)がSELEX法により集約されてきたことを示唆する。今後、オキシトシンの測定に適するDNA塩基配列(アプタマー)の選別やアプタマーとオキシトシンとの親和性評価法に関して検討することが必要であり、準備を進めている。また、アプタマーの選別には、一般的に合成オリゴヌクレオチドが用いられているが、非常に高価であることから安価かつ簡便な評価法の確立も検討する予定である(佐野佳弘)。研究計画にあるように、オキシトシン反応性アプタマーを臨床研究に応用する予定である。そこで、ヒト血漿中オキシトシン値に関しての調査をイムノアッセイにより行っている(佐野佳弘・荒川秀俊)。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
SELEX法によるオキシトシン反応性アプタマーの創製を検討し、そのアプタマーの候補となるDNA塩基配列をTAクローニングにより決定した。その結果、多くの候補DNA塩基配列を得た。 計画した研究計画通りに進展していると考える。
|
今後の研究の推進方策 |
得られているオキシトシン反応性アプタマー候補のDNA塩基配列の中からオキシトシン測定に適するものを選別する。選別されたオキシトシン反応性アプタマーにより測定法の構築を検討する。計画しているマイクロチップ電気泳動による定量法、表面プラズモン共鳴(SPR)を用いた測定法(佐野佳弘)、さらにOXT反応性アプタマーによる臨床応用のためにヒト血漿中オキシトシン値についても調査(佐野佳弘・荒川秀俊)する予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
SELEX法によるオキシトシン反応性アプタマーの創製を検討し、そのアプタマーの候補となるDNA塩基配列をTAクローニングにより決定し多くの候補塩基配列を得た。しかし、以下の理由より計画していた予算通りに使用できなかった。1. 計画していたオリゴDNA(アプタマー候補の塩基配列)の発注を次年度に繰り越した。2. SELEX法で使用したライブラリーの合成は高額になる予定であったが、ドイツの共同研究者のライブラリーを使用した。
|
次年度使用額の使用計画 |
計画していたオリゴDNA(アプタマー候補の塩基配列)の発注を行う。マイクロチップ電気泳動や表面プラズモン共鳴(SPR)を用いた測定法の消耗品費や遺伝子工学関連の研究費、オキシトシン測定法についての研究費に使用する予定である。
|