悪性中皮腫におけるATBF1の役割を探索する目的で、ヒト悪性中皮腫細胞株(NCI-H2452、MSTO-211H、NCI-H28)と良性中皮細胞株(Met-5A)の培養を行った。Met-5A株からATBF1ノックアウト株を作製した。それらのMet-5A亜株とMSTO-211H、NCI-H28株にLuc遺伝子の導入を行い、ヌードマウスの腹腔内に移植した。発光量の変化を観察したところ、MSTO-211Hでは順調に腹腔内に腫瘍の増殖が確認できたが、Met-5A、NCI-H28株では2週間程度で腫瘍の増殖が確認できなかった。現在のところ、ATBF1のノックアウトのみでは、腫瘍化されない可能性がある。
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