研究課題/領域番号 |
26460662
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
吉賀 正亨 関西医科大学, 医学部, 助教 (70434834)
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研究分担者 |
小宮山 豊 関西医科大学, 医学部, 講師 (40140264) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 内因性ジギタリス / マリノブファギン / マリノブフォトキシン / テロシノブフォトキシン / 質量分析イムノアッセイ / ELISA / 高血圧 |
研究実績の概要 |
内因性ジギタリス(EDLF)はナトリウムポンプ抑制活性を示すことで高血圧発症に関与する。申請者はマリノブファギン(MBG)やそのトキシンフォームであるマリノブフォトキシン(MBT)がヒト血液中の存在し血圧上昇への関与を報告している。 MBGの2水素付加体であるテロシノブファギン(TCB)にもトキシンフォームであるテロシノブフォトキシン(TCT)が質量分析を用い,ヒト血液中に存在することを報告している。EDLFはステロイド骨格を有する低分子物質であり解析手法が乏しい。 近年開発注目されている質量分析イムノアッセイ(MISA)は従来の方法と比べ少ない試料量で簡便にかつ高感度な定性のみならず定量解析も可能である。 EDLFの研究にMISAを用いた報告は過去になく、先駆的な研究である。 本年度は質量分析の解析に用いるで試料量の前処理がMISAチップで可能かの検討を行っている。まず現有の抗MBG抗体を用い、既に我々が確立しているenzyme-linked immunosorbent assay(ELISA)系の前処理に、現在使用している簡易カラムとくらべ、MISAチップが簡便で、特異性が高く有用であるかの検討を行った。 具体的には、MISAチップに抗MBG抗体を吸着させておき、試料を加えることで、チューブ内で抗原抗体反応を起こす。数回チップ内を洗浄し,目的に物質のみをチップに留め、次に酵素で切断し目的の物質のみ抽出可能かの検討を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
MISAチップに抗MBG抗体を吸着させる作業に難渋した。現時点では、まだ従来の簡易カラムに代わる特異性は得られていないが、MISAチップの種類や試薬を調整することで十分研究の遂行が可能と考える。
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今後の研究の推進方策 |
MISAチップによる前処置が確立できれば、既に我々が確立しているELISA系でより高い感度や特異性を求めることができる。 さらに少量の検体で同時に多検体を短時間に自動的に処理しLC/MSに用いることができる。さらにLC/MS/MSを用いてselected reaction monitoring(SRM)法を用いるとフラグメントパターンが確定している物質は定量的解析を行うこともでき、高感度で定量・定性両解析が可能になりさらにEDLFの研究が飛躍的に進むと考えられる。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度は基礎的機器検討を中心に行ったため物品費の使用が当初より少額になった。
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次年度使用額の使用計画 |
来年度は基礎的機器検討に加えあらたにLC/MSに用になり、その物品費として使用する予定である。
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