研究課題/領域番号 |
26460663
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研究機関 | 天理医療大学 |
研究代表者 |
池本 正生 天理医療大学, 医療学部, 教授 (80144385)
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研究分担者 |
戸田 好信 天理医療大学, 医療学部, 教授 (10444465)
竹田 真由 天理医療大学, 医療学部, 助教 (00423054)
仲瀬 裕志 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (60362498)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | マクロファージ / S100タンパク質 / トランスジェニックラット / 潰瘍性大腸炎 / 急性炎症 / 免疫細胞 / オートクライン / サイトカイン |
研究実績の概要 |
合成したラットS100A8 cDNAをpCXベクター(大阪大学の宮崎教授から供与)に組み込み,プラスミドを構築した.このプラスミドをラットの受精卵(人工授精)に注入し仮親の子宮に戻したところ,1匹の組換えラット(F0,雌)を樹立することができた.このF0とSDラット(雄)との交配を実施したところ,3回目の試行でS100A8 Tgラット(F1, 雌2匹)の樹立に成功した.その後,2匹のS100A8 Tgラット(F1: 07-3-C7, 07-3-C8)をSDラット(雄)と交配させた.2匹のうち1匹(07-3-C7)から10匹の子供が産まれ,そのうち2匹(07-3-C7: a5, a6)がS100A8 Tgラット(F2, 雌2匹)であった.現在,他の1匹(Tg, 07-3-C8)の妊娠は確認できていない.また,S100A8-Tg(07-3-C7)のSDラット(雄)との2回目の交配から15匹の子供(雄6匹, 雌9匹)を得ることができた.5月末頃,ラットにおける目的遺伝子をPCRで確認する予定である.一方,F0は4回目の交配において12匹のラットを出産したが,1匹のみがS100A8 Tgラット(F1: 07-3-E4)であった.今後このF1ラットを用いてより多くのS100A8 Tgラットを確保する予定である. 平成27年度は引き続いてF0及びF1ラットをSDラットと交配させ,確保したS100A8-Tg を用いてS100A8の免疫学的機能を明らかにしたい.現在,07-3-C7 (a5)を用いて,S100A8がマクロファージ,大腸組織,肝組織など,全身の臓器等に発現しているかどうかを,PCR, RT-PCR, ELISA及びWestern blottingなどの方法を用いて検証することを進めている
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成26年4月から本研究計画を開始し,平成26年12月までにS100A8トランスジェニックラットを樹立する予定で進めていた.ファウンダーラット(F0)の樹立に成功したが,F1ラットの作成に3回目で成功したため,約半年の遅れが生じてしまった.しかし,その後はS100A8トランスジェニックラットの数は少ないながらも,順調に確保できている.他の理由として,得られたトランスジェニックラットはこれまでのところ,すべて雌であった.雌の場合,妊娠,出産,授乳期間を含めると,少なくとも4~5ヶ月間の期間が1サイクルとなり,効率的に交配を行うことができないためである.
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今後の研究の推進方策 |
S100A8トランスジェニックラットの数は少ないが,順調に確保できているので,以下の順に検討を進める予定である. 1.マクロファージ,大腸組織,肝臓,腎臓など,全身の組織にS100A8が発現しているかどうかを,遺伝子及びタンパク質レベルで確認する.例えば,ヒスタグに対する抗体を用いて血中及び組織におけるr-S100A8をELISAで測定する.同時に蛍光免疫組織染色により局在性を確認し,Native S100A8は従来の方法で測定し,リコンビナントS100A8の変動と比較することにより,生体内におけるS100A8の動態を総合的に解析する. 2.5%DSS誘導潰瘍性大腸炎(UC)モデルを作成し,UCの形成過程をコントロールラット(無処理ラット)と比較することにより,大腸組織の変化を視角的に捉えることによりS100A8の局在性及び大腸内の動態を明らかにすることにより,免疫学的機能,とくに直腸組織におけるS100A8の免疫学的機能について考察する. 3.他の炎症性疾患,例えば急性肝障害モデルにおいても同様な検討を行う.
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次年度使用額が生じた理由 |
研究の遂行上,残高を0円にすることは難しい.適切かつ有効に使用するために無駄な使途を避けるために一部の科研費を残した.
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次年度使用額の使用計画 |
各種の抗体もしくは消耗品(チューブ,チップなどのプラスチック類)に使用する.
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