我々はS100A8 cDNAを組み込んだpCXGFPベクターをラットES細胞に注入し,S100A8トランスジェニックラット(F0)の樹立に成功した.その後,野生型Wistar rat (WT-rat)とTg-S100A8の腹腔内にLPSを投与したところ,WT-ratの肝組織に多数のマクロファージが集積し,急性肝障害が誘導されていた.一方,Tg-S100A8の肝組織障害は認められず,マクロファージの局在性は散在的であった.これらの結果は,S100A8がLPSによる肝障害を抑制している可能性を示唆している. 現在,そのメカニズムの解明に向けて研究を進めている(投稿中).
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