本研究は,2型糖尿病合併安定狭心症(SCAD)患者において,HDLの機能と血管内超音波(IVUS)による冠動脈動脈硬化との関連を,多変量データ解析(MVDA)法にて検討した。冠動脈責任病変(プラーク)の線維組成は,IB-IVUSにて計測した。OPLS法により,HDLの抗酸化能は,冠動脈プラークの線維成分及び線維被膜の厚み両方と関連し,HDLのコレステロール引き抜き能及びHDLの主要蛋白アポリポ蛋白A-1は,主に冠動脈プラークの線維成分と関連することが示された。つまり,HDLの機能は,2型糖尿病合併安定狭心症(SCAD)患者において,冠動脈プラークの安定性と関連することが示唆された。
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