研究課題/領域番号 |
26460670
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
林 研至 金沢大学, 大学病院, 助教 (00422642)
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研究分担者 |
寳達 明彦 金沢大学, 医学系, 協力研究員 (00623662)
藤野 陽 金沢大学, 保健学系, 准教授 (40361993)
清水 渉 日本医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50399606)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 遺伝性不整脈 / 次世代シークエンサー / ゼブラフィッシュ |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、 (1)家族歴が明白な遺伝性不整脈家系に対し次世代シーケンサーによる全エクソーム解析を行い、新規原因遺伝子を検索する。(2)ゼブラフィッシュ初期胚を用いた変異遺伝子のノックダウン/レスキュー実験、トランスジェニックフィッシュの作成・機能評価を行い、遺伝子変異の病的意義を解明する、というものであった。 (1)については、今年度新たに先天性QT延長症候群3家系、Type 1 Brugada症候群9症例、家族性徐脈もしくは若年性ペースメーカー植え込み21症例、不整脈原性右室心筋症1家系、家族性心房中隔欠損症1家系に対して次世代シークエンサーを用いて遺伝子解析を行った。現時点で、先天性QT延長症候群より1例のKCNQ1遺伝子変異、3例のKCNH2遺伝子変異を、不整脈原性右室心筋症よりPKP2遺伝子変異を見出した。 (2)については、Type2先天性QT延長症候群で見出されたKCNH2遺伝子変異の病的意義について、ゼブラフィッシュ初期胚の心電図を用いて評価を行った。繰り返す失神を認めた2例を含む家系より見出されたKCNH2 E637K変異のゼブラフィッシュ心電図のQTcは、コントロールと比較して有意な延長が認められた。なお、心電図測定の際、測定温度を27度に一定に保つことにより、測定値のばらつきが少なくなり、精度を高めることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
H27年度の研究目標は、(1)遺伝性不整脈家系の収集と候補遺伝子解析、(2)次世代シーケンサ-を用いたエクソーム解析、(3)遺伝性不整脈の発生機序の解明、重症度評価、適切な治療法の確立であり、すべての研究をすすめ、一定の成果を得ることができたため。
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今後の研究の推進方策 |
次世代シーケンサーの遺伝子解析をすすめること、遺伝子解析で見出された新規の原因遺伝子変異の意義をゼブラフィッシュで確認すること、Crispr/Cas9を用いてKCNH2遺伝子およびそれ以外のノックダウン/レスキュー実験に行うこと、ゼブラフィッシュの心電図と活動電位の計測法をさらに確立すること、トランスジェニックフィッシュ作成と機能評価を行うこと、などを目指して研究を推進する。
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次年度使用額が生じた理由 |
効率的な執行で端数が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度の研究費とあわせて消耗品を購入する予定である。
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