研究課題
昨年度までのin vitroの検討で、BDNFはマウス正常巨核球の自己増殖を増強することが明らかになっている。これはコラーゲンゲルを用いた3次元培養下でのコロニー形成の数で評価したものであった。追加の検討として、液体培地での巨核球分化・成熟に対してBDNFがどのような作用をもたらすかを検討した。BDNFを添加して分化誘導を行った巨核球は、統計学的有意差は認めなかったものの、CD41陽性CD42b陰性の未成熟巨核球数が増加する傾向が認められた。一方、BDNF添加群は、CD41陽性CD42b陽性の成熟巨核球数はコントロール群と変わりなく、また成熟の指標となる多核化にも差は認めなかった。これは、BDNFは巨核球の成熟段階に対しては促進作用を発揮しないことを意味する。さらに成熟巨核球からの血小板産生をproplatelet formation assayで検討したが、血小板産生についてもBDNFは促進作用を示さなかった。以上の結果から、in vitroにおけるBDNFの巨核球造血の作用は自己増殖に特異的な促進作用であることが明らかになった。
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http://www.med.yamanashi.ac.jp/clinical/clin0lab/