フィブリノゲン(Fbg)蓄積病(FSD)を呈するFbg低下症として6例が報告されている。早期診断法・治療薬候補を探索する研究を行った。異常Fbg産生CHO細胞を確立し、蛍光抗体法で形態学的特徴を検討した結果、FSDを引き起こす変異型では、細胞質に繊維状封入体が観察され、特異的であることが証明できた。 また、種々の薬剤を用いた封入体形成原因の検索では、封入体は異常Fbgがプロテアソーム系あるいはオートファジー系による分解を免れて形成されることが示唆された。しかし、それぞれの促進薬剤の添加では、封入体の形成を抑えられないことから、FSDの治療薬として使用できる可能性が低いことが明らかになった。
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