平成26年度から28年度までに本研究費に関連して発表した9編の英文論文は、細胞のストレス応答とスフィンゴ脂質代謝腫瘍の関係が6編、抗がん剤耐性機序が2編、食品成分ファイトケミカルの抗がん作用が1編である。 我々の結論としては、(1)腫瘍細胞は低酸素、増殖因子の欠乏、抗がん剤暴露によるストレスを乗り切るため、スフィンゴ脂質代謝、DNA複製系、微小管の代謝、mRNAの寿命の変化、クロマチンレモデリングなど様々な機序を駆使し、生存、増殖を図る。(2)腫瘍細胞のストレス応答に関しては、提唱されているスフィンゴ脂質レオスタットモデルが、ストレスでの細胞死あるいはストレスの耐性化にとって重要である。
|