研究課題/領域番号 |
26460680
|
研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
森本 徳仁 高知大学, 医学部附属病院, 臨床検査技師 (60398055)
|
研究分担者 |
西田 愛恵 高知大学, 医学部附属病院, 臨床検査技師 (30600796)
杉浦 哲朗 高知大学, 医学部附属病院, 特任教授 (50171145)
竹内 啓晃 高知大学, 教育研究部医療学系臨床医学部門, 講師 (90346560)
|
研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
キーワード | Helicobacter pylori / 血小板 / H. pylori膜蛋白 / 免疫性血小板減少症 / マクロファージ |
研究実績の概要 |
Helicobacter pyloriは、免疫性血小板減少症(ITP)や冠動脈疾患等の消化管外疾患への関与が示唆されている。特にH.pylori関連ITP患者では、H. pylori 除菌による血小板数の回復症例が多数報告されているにもかかわらず、発症メカニズムには不明な点が多い。 これまでに、H. pylori関連ITPの発症においてH .pylori菌体膜蛋白(Hp-OMP)が血小板に結合し複合体を形成し、さらにこの複合体に抗Hp-OMP抗体が結合することにより形成された血小板-Hp-OMP-抗Hp-OMP抗体の免疫複合体による血小板破壊がH. pylori関連ITP発症に関与しているものと考え検討を行ってきた。 H.pylori関連ITP患者では、本複合体がマクロファージに貪食されることにより血小板が減少する可能性を考え、Hp-OMPに対する血清中抗体価を検出するためのELISA法(in-house法)を確立すべく検討を行った。Hp-OMPをELISAプレートに固相したのち、3群のITP患者(H. pylori 陰性(Hp-N)群、H. pylori 陽性 除菌有効(CR)群およびH. pylori陽性 除菌無効(NR群)の血清抗Hp-OMP 抗体をin-house Hp-OMP ELISAを用いて測定した。 各群のin-house Hp-OMP ELISAによる血清抗Hp-OMP抗体のOD値は、それぞれHp-N群:0.43±0.05、CR群:0.65±0.04および NR群:0.60±0.04であった。Hp-N群に対しH. pylori感染群(CR群およびNR群)は有意に高値を示し、特にCR群でより高値の傾向を示した。 これらの結果から、H. pylori関連ITP患者ではHp-OMPを始めとするH.pylori蛋白と血小板の直接的な結合に加え、抗体が結合した複合体が最終的にマクロファージに貪食されることにより血小板減少を引き起こす可能性が示唆された。
|