研究代表者らはこれまでに、骨髄球系造血に必須な転写因子PU.1が直接、抑制性に制御する標的遺伝子として、多機能タンパク質メタロチオネイン(MT)を同定した。研究代表者らは、全トランス型レチノイン酸(ATRA)を急性前骨髄球性白血病(NB4)細胞に添加し、好中球へと分化誘導を試みると、MTの過剰発現下においては、NB4細胞の分化が強力に阻害されることを発見した。また代表的な抗がん剤であるシタラビン(Ara-C)を添加したところ、予想通り、MT過剰発現NB4細胞は、コントロール細胞に比して、50%有効濃度が1.5~2.0倍程度上昇し、ある程度の薬剤耐性を有していることを明らかにした。
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