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2016 年度 実施状況報告書

家族性大動脈瘤・大動脈解離の遺伝的背景と長鎖非コードRNAによる制御機構

研究課題

研究課題/領域番号 26460687
研究機関杏林大学

研究代表者

吉野 秀朗  杏林大学, 医学部, 教授 (90129734)

研究分担者 佐藤 徹  杏林大学, 医学部, 教授 (20170764)
蒲生 忍  杏林大学, その他部局等, 特任教授 (90122308)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2018-03-31
キーワード遺伝子学 / 循環器病学
研究実績の概要

日本の大動脈瘤/大動脈解離Thoracic Aortic Aneurysm and Dissection (TAAD)の頻度は高齢化社会、高頻度の動脈硬化により高い値を示しており、1万に0.3-0.5人とされていた。しかし、研究代表者を含めて、東京都に限り虱潰しに調査した結果、急性心筋梗塞の3分の1から4分の1の頻度でTAADが原因であり、これを勘案するとその頻度は従来の倍、即ち人口1万に1人と欧米に比べ極めて高い頻度で発生している事が判明した。TAADには家族性を示す例が約20%存在し、その内のさらに約20%に遺伝的変異が報告されている。最も高頻度に変異が観られるのは平滑筋特異的αアクチンACTA2遺伝子を含めMarfan症候群原因遺伝子FBN1フィブリリン-1タンパクなどの7つの原因遺伝子が同定されている。我々は、ACTA2、FBN1、TGFBR1遺伝子に加えて、ゲノム上154kbで41エキソンからなる平滑筋ミオシン重鎖MYH11遺伝子の解析系を確立した。少ない検体量で変異解析を可能とするため、遺伝子全領域を約20kbの9断片に分けLong PCRで増幅した。これにより7つの原因遺伝子のうち4遺伝子の解析が可能となった。さらにこの反応をマルチプレックスLong-PCRとすること、またゲノム上272kbと原因遺伝子中で最大のMYLKの解析系の確立を進めている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

遺伝子解析系の確立、患者検体収集のための倫理委員会等の事務的手続きに、当初の見込みよりも時間を要しているため。

今後の研究の推進方策

三次救急でTAAD患者に直面する臨床と遺伝子解析に経験を有する基礎が連携し家族性TAAD原因遺伝子の従来は困難であった遺伝子全域解析システムを確立し、臨床検体を用い原因遺伝子全域解析、さらにepigenetic制御の可能性を検討する。またin vitro系で遺伝子変異がTAADの発症に関与する機序について解析することで、正確で早期の診断とQOL改善に寄与することを目指す。

次年度使用額が生じた理由

遺伝子解析系の確立や、患者検体収集のための倫理委員会等の事務的手続きに、当初の見込みよりも時間を要したために、研究の進捗が当初の計画よりもやや遅れているため。

次年度使用額の使用計画

平成28年度の計画予定のうちの遅延分を平成29年度に組み込んで対応する予定である。

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公開日: 2018-01-16  

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