研究課題
本研究では癌の超早期診断技術の確立を目標とし、①癌の血行性転移の主因と考えられる血液中の循環癌細胞(Circulating Tumor Cells、以下CTC)と予後の相関を幅広い癌種で確認することと、②CTCがほとんど存在しない早期癌も網羅した癌の超早期診断法を開発することを目的とした。①これまでの自験結果から、テロメラーゼ活性を指標としてCTCを検出したが、癌種により疑陽性細胞が多く検出されることが分かった。そこで、より精度の高い検出法として、分光法を用いた無標識CTC検出技術を開発した。本法で採取されたCTCは生体内と近い状態であるため、次世代シークエンサーによる遺伝子解析等のダウンストリームの解析に非常に適している。現在、臨床サンプルの解析データを蓄積中である。②われわれが開発したバイオチップ(リン青銅素材の金属チップ)上に銀ナノ錯体を作成、癌患者血清を滴下することにより、癌関連遊離核酸と銀の複合体が形成される。レーザーを照射すると、癌患者血清に特有の表面増強ラマン散乱光が検出され、精度の高い癌診断が可能と考えられた。現在、臨床サンプル数を増やして、解析データを蓄積中である。
1: 当初の計画以上に進展している
①循環癌細胞の検出法として、テロメラーゼ活性を指標とした検出法よりも精度の高い検出法として、分光法を用いた無標識CTC検出技術を開発した。本法で採取されたCTCは生体内と近い状態であるため、次世代シークエンサーによる遺伝子解析等のダウンストリームの解析に非常に適している。現在、臨床サンプルの解析データを蓄積中である。②われわれが開発したバイオチップ(リン青銅素材の金属チップ)上に銀ナノ錯体を作成、癌患者血清を滴下することにより、癌関連遊離核酸と銀の複合体が形成される。レーザーを照射すると、癌患者血清に特有の表面増強ラマン散乱光が検出され、精度の高い癌診断が可能と考えられた。また自家蛍光強度を比較することでも簡便に癌が診断できる可能性が示された。現在、臨床サンプル数を増やして、解析データを蓄積中である。
①分光法による無標識CTC検出技術を用いて、より多くの臨床サンプルの解析を進める。②われわれのバイオチップを用いて、レーザーによる表面増強ラマン散乱光と、自家蛍光の両方を記録する。臨床サンプル数を増やして、解析データを蓄積する。
循環癌細胞の検出方法を変更したため、必要試薬代金に変更が生じた。
研究が順調に進んでおり、当初の予定を上回る数のサンプルを解析できる見込みとなったため、必要研究費総額には大きな変更が生じない予定である。
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