研究課題/領域番号 |
26460688
|
研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
伊藤 寛晃 昭和大学, 医学部, 准教授 (70443447)
|
研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
キーワード | 循環がん細胞 / 遊離核酸 |
研究実績の概要 |
がん患者、非がん患者から採取した血清の解析結果から、バイオチップを用いた遊離核酸検出技術の臨床的貢献の可能性を示しました(学術論文として投稿、すでに受理され公開済み)。その後、より簡便かつ再現性良く、精度の高い解析技術の確立を目指して、分光法を用いた遊離核酸、細胞、組織を含めた幅広い生体材料を変性を伴わずに解析できる技術の開発を開始しています。 循環がん細胞に関しては、検出、採取後に次世代シーケンサー等を用いた遺伝子変異解析、細胞機能解析に利用するため、細胞変性を伴わない無標識検出技術の開発を行っています。培養細胞を用いた評価では良好な結果が得られており、今後、がん患者、非がん患者の血液を用いて、技術の評価と改善を行います。それらの結果を活用し、がんの早期診断、治療効果判定を目的とした先端医療機器の開発を行う計画です。 また、同様の技術を応用して、ハードウェア・ソフトウェアの両方からなる組織標本の診断支援システムの確立を目指し、研究を開始しています。医療現場での病理組織診断能向上、希少疾患や診断困難例に対する診断支援、へき地や離島、発展途上国など病理医不在環境での医療支援を目的として開発を進めています。 現時点で、培養細胞、胃がん・大腸がん実臨床組織標本の解析結果から、細胞の無標識・無修飾生物学的・形態的解析に関する2件の特許の出願を完了しました。今後は、臨床研究として、さらに多くの実臨床検体(血液、組織)の解析を行い、技術の評価と改善を進めていきます。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
バイオチップによる遊離核酸検出技術の臨床的意義に関して学術論文を投稿、既に受理され公開されています。現在はバイオチップを用いず、さらに簡便、かつ精度の高い解析法を開発中です。循環がん細胞検出に関しては、検出、採取後の細胞機能解析への応用も視野に入れ、分光法を用いた細胞変性を伴わない革新的な無標識循環がん細胞検出技術を開発中です。研究実績の概要に記載した通り、細胞の生物学的・形態的解析に関する2件の特許の出願を完了しました。
|
今後の研究の推進方策 |
分光法を基本として、遊離核酸、細胞、組織を含めた幅広い生体材料を変性を伴わずに解析できる技術を開発中であり、研究実績の概要に記載した通り、細胞の生物学的・形態的解析に関する2件の特許の出願を完了しました。今後は、さらに多くの実臨床検体の解析を行い、技術の評価と改善を行っていきます。
|
次年度使用額が生じた理由 |
次世代シーケンサーによる解析が予定より遅くなったため、主に次世代シーケンサー解析に伴う費用分が当該助成金となりました。
|
次年度使用額の使用計画 |
翌年度分として請求した助成金と合わせて次世代シーケンサー解析に伴う費用として使用予定です。
|