研究成果の概要 |
悪性中皮腫はアスベスト曝露が発症に関与し極めて予後が悪い悪性腫瘍である。患者一人当たりの変異数は成人癌としては極めて少ないと言われてきた。我々は染色体3p21上のBAP1, SETD2, PBRM1, SMARCC1遺伝子にクロモスリプシス様の微小領域2アレル欠損が腫瘍に高頻度に生じていることを見出した。一方日本人、米国人散発性患者とも約3%にBAP1の生殖細胞系列変異が検出された。変異の生じやすい後者3遺伝子にも稀な生殖細胞系列ヴァリアントが種々検出されたがいずれもミスセンスで人種により頻度差があった。これらの遺伝子の機能低下が悪性中皮腫発症へ寄与している可能性があり今後検討予定である。
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