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2014 年度 実施状況報告書

中皮腫マーカー・インテレクチン-1の転写制御因子の同定

研究課題

研究課題/領域番号 26460692
研究機関地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立がんセンター(臨床研究所)

研究代表者

辻 祥太郎  地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立がんセンター(臨床研究所), その他部局等, その他 (30285192)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード中皮腫 / インテレクチン
研究実績の概要

1)研究実施計画に従って、悪性胸膜中皮腫(中皮腫)細胞株におけるOctファミリーおよびSoxファミリーの発現を解析した。複数の中皮腫細胞株を用いて、インテレクチン-1および各転写因子のmRNAの発現プロファイルを解析したところ、各分子の発現は細胞株とその培養状態に大きく影響を受け、この解析からインテレクチン-1の発現制御に関わる因子を絞り込むことは困難であった。そこで、エンハンサー領域に結合する転写因子を直接精製、解析するために、インテレクチン-1を大量に発現し、かつ増殖の速い中皮腫細胞株の亜株の選抜を試み、目的とする細胞株(Acc-Meso4HG)を得ることに成功した。
現在、Acc-Meso4HGの細胞可溶化液を用いて、エンハンサー領域に結合する転写因子の精製を試みている。
2)Acc-Meso4HGに発現し、インテレクチン-1の発現制御に関与する可能性のある中皮腫に特徴的な分子に対するモノクローナル抗体の作製を試みた。中皮腫細胞株、および中皮腫病理切片を用いたスクリーニングを行い、極めて高い特異性と感度を示すクローンの樹立に成功した。中皮腫、各種がん、健常組織の病理検体の組織切片を用いて詳細に解析を行ったところ、この抗体の特異性と感度は、インテレクチン-1を含む既存のすべての中皮腫マーカーよりも優れていることが明らかとなった。
現在、細胞可溶化液を用いて、この抗体の認識抗原の同定を試みている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

平成26年度に行った各転写因子のmRNAの発現解析では、インテレクチン-1の発現制御に関わる転写因子を絞り込むことが困難であった。そのため、当初の研究計画で予定してたOctファミリーとSoxファミリーに重点を置いた解析では、中皮腫におけるインテレクチン-1遺伝子の発現調節機構を明らかにするのは困難であると考えられた。そこで、平行して実施を予定していた転写因子を直接精製、解析する手法に重点を移し、現在解析を進めている。
一方、抗体作製という異なるアプローチを試みる際に得られた抗体が、インテレクチン-1を含む既存のすべての中皮腫マーカーよりも優れた性質を持つことが示唆され、予定外の研究成果が得られている。この抗体は中皮腫に対し極めて特異性が高いことから、認識抗原は中皮腫の増殖や発がん過程に関与している可能性がある。従って、本抗体の解析は「中皮腫の発がんと増殖機序の解明」という本研究目的と合致すると考えられ、本研究内で解析を進める意義があると考えられた。

今後の研究の推進方策

OctファミリーとSoxファミリーに重点を置いた解析では、研究目的の遂行が困難であると考えられたため、転写因子を直接精製、解析する手法に重点を移し解析を進める。
また、本研究目的と合致する新たな中皮腫マーカー抗体が得られ、既存の中皮腫マーカーよりも優れた特性を示すことから、本抗体の解析(認識抗原の同定)は中皮腫の発見と治療に大きな貢献を果たしうると考えられる。認識抗原の同定法は、転写因子を精製する手法と材料や手法がほぼ同一で相互に流用が可能であるため、平行して研究を推進することが可能と考えられる。

次年度使用額が生じた理由

当初予定していた発現解析を行う研究手法では研究目的の達成が困難であると考えられたため、研究手法の変更を行った。その結果、予定していた消耗品の購入費に変更が生じ、当該助成金が生じた。

次年度使用額の使用計画

研究手法の変更により、培養と精製に関する物品費の必要額が増加すると考えられる。そのため、繰り越された当該助成金を次年度の消耗品の購入に充てる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 備考 (1件)

  • [備考] 神奈川県立がんセンター臨床研究所・がん治療学部

    • URL

      http://kcch.kanagawa-pho.jp/kccri/organization/chiryou.html

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公開日: 2016-05-27  

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