研究課題
上肢CRPS患者8名(男性2名女性6名、平均年齢47.2+/-18.3歳(30-78歳)全例右利き 右上肢痛3名、左上肢痛4名、両上肢痛1名)と健康成人39名(男性21名、女性18名、平均年齢21.2 +/- 1.1歳 右利き36名、左利き3名)を対象に身体部位(手)のメンタルローテーション課題を用いた心理物理学的実験を実施しデータを取得した。提示された1枚の手の写真が左右どちらの手かを判断するLaterality judgmentと、提示された2枚の手の写真が同じ側の手か対側の手かを判断するSame-Different judgmentの2つの課題を実施した。両群の正答率および反応時間を比較した結果,健常者に比べCRPS患者で有意な正答率の低下と反応時間の遅延を認めた(三元配置分散分析)。健康成人のデータについて個人解析を行った結果,回転角度と反応時間の分布から、4つのグループに分類することができた。すなわち、回転角度を横軸に反応時間を縦軸にとった時、45°から135°の回帰直線の傾きが、45°から180°の傾きと比較して①平行のもの ②45˚-135˚の傾きに比べ45度-180度;の傾きが大きいもの ③45度-135度の傾きに比45度-180度の傾きが小さいもの ④反応時間が回転角度によらず一定のもの の4つである。右手掌の内向きLaterality judgmentを例に採ると、①62% ②3% ③3% ④31% であった。先行研究では、「手の左右判別課題時には自身の手を動かす運動イメージを行っている」とされており、今回個人解析を行うことにより「手の左右判別課題時には自身の手を動かす運動イメージを行っていない例」も一定数存在し、回答方略には複数のものがあり状況によって使い分けている可能性を示すことができた。
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ペインクリニック
巻: 38 ページ: 437
Journal of Musculoskeletal Pain Research
巻: 8 ページ: S52
最新医学
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